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“微笑みの国”・タイはいま

福岡県と友好関係にある首都バンコクを訪ねました
  • 2023年05月16日

    “微笑みの国”と呼ばれる東南アジアのタイ。親日国として知られていますが、実は首都バンコクと福岡県は20年近く前に友好関係を結んでいて、直行便もあることから、観光やビジネスなど幅広い分野で活発な交流が行われてきました。そんなバンコクはいま、どんな様子なのか。新型コロナ対策の緩和などを受けて現地に向かい、タイから観光客を呼び込もうという福岡県の取り組みや現地で活躍する福岡ゆかりの人たちなどを取材してきました。今回は、世界的に有名な寺院や気軽に本場のタイ料理が味わえる市場などバンコクのさまざまな魅力をご紹介します。

    ディレクター
    中野優奈

    バンコクの魅力、私がお伝えします!

    直行便でバンコクへ

    福岡とバンコクの間は、3つの航空会社が直行便を運航しています。このうちの1社の3月の平均搭乗率は75パーセントと客足が戻ってきているということで、私たちが出発した4月24日、福岡空港の国際線ターミナルではチェックインカウンターの前に長い列ができていました。

    国際線のチェックインカウンター

    およそ6時間でバンコクに到着!観光ならビザは必要ありません。

    バンコク中心部の大通り

    私たちが訪れたのは1年で最も暑い時期で、日中の最高気温が37度に達した日もありました。

    現地の人も日中は外出を控えるくらいの暑さだそう。暑さ対策は必須です!

    そんなときは、甘くて冷た~いフルーツやジュース。街頭のあちらこちらで売られていて、こまめに、おいしく水分補給ができました。

    フルーツを売る屋台

    この時期のおすすめはマンゴー!とても甘くておいしいです。

    個性的な仏像

    バンコクの街を歩いていて、まず目につくのは金色に輝く仏像や鮮やかな彩色の寺院です。

    高さ69メートルの仏像

    タイでは人口の90パーセント以上が仏教を信仰しています。街中では、仏像に手を合わせる人たちの姿を何度も見かけ、信仰心のあつさを感じました。

    横たわっている仏像、「ねはん像」も

    名刹「ワット・ポー」へ

    そしてこちらは、世界的にも有名な寺院「ワット・ポー」です。

    「ワット・ポー」

    18世紀後半に建てられ、格式高い寺院として知られています。入場料は200バーツ、日本円で800円ほどです。

    朝のお勤めを見学

    ワット・ポーの最大の見どころは…

    巨大な「ねはん像」です!全長46メートル、高さは15メートルあります。金色に輝いています!

    大きくて画角に収まりません

    ところで、どうして寝ているような姿なんでしょうか。素朴な疑問に寺の名高い僧侶が答えてくれました。

    ワット・ポーのナンバー2
    プラ・テーパワッチャラージャーンさん

    「『ねはん像』の顔を見ると気持ちが落ち着くと思います。 君たちが怒ったときは寝てしまいなさい。すると起きた時には怒りは収まっています」。

    ゆったりと横たわる「ねはん像」を前にすると、
    自分の悩み事も小さく思えて心が落ち着きます。

    実は福岡県でも篠栗町に「ねはん像」があるのをご存じでしょうか。

    篠栗町の南蔵院にある「ねはん像」

    全長41メートル、高さ11メートルです。その画像を、ワット・ポーの僧侶に見てもらいました。

    篠栗町の「ねはん像」に興味津々

    似ていますね。ワット・ポーの方が少し大きいのでお兄ちゃんですね(笑)。

    ワット・ポーの魅力は「ねはん像」だけではありません。敷地内で、タイ名物の“あれ”を体験することもできるんです。それが…

    タイ古式マッサージです。ワット・ポーはタイ古式マッサージの総本山とされていて、敷地内に専門の学校があるほか、施術が受けられるんですよ。

    施術は1時間でおよそ2000円

    お寺でマッサージ!日本ではなかなか見られない光景です。

    マッサージは娯楽でなくて治療です。ここは寺の中にある病院みたいなもの。
    マッサージを学びたい人が誰でも来て学べるように学校があります。

    街中で発見“パワースポット”

    取材中、街中で人だかりを発見しました。現地の人に聞くと有名なパワースポットだそう。 

    パワースポットとされる「エラワン廟」

    花や線香を供えて願いごとをするそうです。願いごとをするときの真剣な表情が印象的でした。

    その片隅では、舞を踊る集団が。願いがかなった人が、御礼として踊るそうです。

    生演奏の音楽に合わせて踊る

    本場のタイ料理を味わう

    高層ビルなどが建ち並び都会的な景色が広がるバンコクですが、昔ながらの雰囲気が漂う場所も残っています。

    それが、市場や屋台です。市場では、肉や野菜、魚介類などさまざまな食材が威勢のいい声とともに売られていて、店の人たちによると、コロナ禍前の活気を取り戻しつつあるということでした。

    バンコク中心部の市場

    また、屋台では、トムヤムクンやガパオライスなど日本でもおなじみのタイ料理が売られていて、日本より安く本場の味を楽しむことができました。 

    とてもおいしいのですが、かなり辛いです。辛さを抑えたい方は、「マイペッ」と伝えてみて下さい。タイ語で「辛さ控えめ」という意味だそうです。

    福岡グルメがタイで人気!?

    最後に訪れたのは、スクンビット地区です。 大規模な日本人街として知られています。そこで見つけたのは、「博多」の文字。

    福岡の名物料理などを提供する「照-TERRA-」

    店の中に入ってみると、もつ鍋など福岡の名物料理をタイの人たちが楽しんでいました。

    ごまぶりを楽しむタイの人たち

    ごまぶりが好きで来るたびに注文します

    店主の内川智貴さんによると、福岡の醤油の味がタイの人に受けているそう。

    店主
    内川さん

    福岡の醤油を送ってもらって使っているんですが、その甘さをタイの人は喜んでいると思います。

    内川さんが担当するバンコクの3つの店舗の中には、客のおよそ8割がタイ人という店もあって、遠いバンコクの地で“福岡の味”が広まりつつあるようです。

    ディレクター
    中野優奈

    ほかの取材も兼ねて1週間程度、バンコクに滞在しましたが、人が温かくて何度でも訪れたくなる街でした。タイ料理のあの辛さも福岡へ帰ってきてからは恋しく感じます。

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