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上野動物園のモノレール 廃止決定の理由とは 新たな乗り物はいつ?

  • 2023年11月14日

【更新】廃止の日程が繰り上がりました。
「東京都懸垂電車上野懸垂線」上野動物園のなかを運行する日本で最も古いモノレールのことです。4年前に運行が休止する時点では4代目の車両を使用していて、2024年7月までに廃止することが決まっていました。その背景のひとつには“特注した車両”だったことがありました。

「東京都懸垂電車上野懸垂線」2019年に運行休止

東京都によりますと、上野動物園のモノレール、「東京都懸垂電車上野懸垂線」は法律に基づいて昭和32年から運行が始まった日本で初めてのモノレールで、東園と西園の間、片道およそ330メートルを有料で運行していました。
懐かしい映像はこちら(「鉄道あの頃」)からもご覧いただけます。

園内を上から見渡せることから来園者の人気が高く、1日の利用者は平均でおよそ3700人にのぼっていましたが、車両が老朽化しているため、運営している東京都は2019年11月1日から運行を休止していました。

都はモノレールの代わりとなる新しい乗り物を整備する方針で、これを前に7月21日、モノレールの「鉄道事業廃止届」を国土交通省に提出しました。

“特注車両” 廃止判断の背景のひとつ

上野動物園のモノレールは、1980年にも老朽化などを理由に廃止が検討されましたが、動物園の利用者から「残してほしい」という声が相次いで寄せられ、存続が決まりました。
その後、車両の更新や耐震補強が行われて2019年まで運行が続けられたということです。

今回、廃止の判断となった背景のひとつには、車両はメーカーに特別に発注して製造しているという事情もあります。

都によりますと、製造に時間がかかるうえ、新たな車両をつくるためには、少なくとも以前、製造した時の4倍以上にあたる18億円がかかる見通しで、このほか変電設備なども大規模な更新が必要になるということです。
また、新たな車両の耐用年数の期間、保守管理を継続することにも課題があったということです。

廃止日繰り上げ 新たな乗り物 2026年度の供用開始を目指す

モノレールの廃止予定日は「鉄道事業廃止届」を提出した1年後の2024年7月21日となっていましたが、都によりますと、その後、工事のスケジュールについて調整を進めた結果、2024年1月以降に車両の撤去や橋脚の解体に向けた工事を始めることとなり、予定を繰り上げて、12月27日に正式に廃止することになりました。
都は、2023年度中に乗り物の整備や運営を委託する民間事業者を決める予定です。そして、2024年度末までに撤去を完了させ、2026年度から、代わりとなる新しい乗り物の供用開始を目指すとしています。

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