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加藤さんの新たな挑戦!

場面かん黙 2022
  • 2023年09月25日

場面緘黙と向き合う加藤諄也さんを取材した2022年放送のリポートです。
2023年9月放送のリポート「自分の声で伝えたい」とともに、ぜひご覧ください。

【2022年4月放送】 ※内容は放送時に基づく

“場面かん黙”を知っていますか?
家で家族などとは会話できるのに、学校などの社会的な状況になると不安や緊張から声が出なくなる症状のことをいいます。

子どもによく見られる症状で、国内での調査によると、およそ500人に1人いると言われています。

NHKでは、大人になってもこの症状と向き合い続けている加藤諄也(しゅんや)さんの取材を、7年前から続けてきました。

加藤さんは小学校高学年のころから、自宅で母親とは話しができるのに、家の外で声が出なくなりました。それ以来20年近くこの場面かん黙という症状に向き合って生きています。

加藤さんのこれまでの歩みを振り返りつつ、新たに始めた挑戦についてお伝えします。

 

【2022年4月放送】

 

場面かん黙の症状を改善するには、どうしたらいいのでしょうか?

場面かん黙の研究者で、場面かんもく相談所 いちりづか の高木潤野さんにうかがったところ、「話す練習というのは1人ではできなくて、話しづらくなってしまう相手に協力してもらい、その人に向かって練習することで、症状を改善させていくことができるのでは」と話していました。

つまり、症状を改善させるためには、周囲の人たちによるサポートが必要になるのです。

高木さんは、加藤さんのように重い症状を抱えていても、周囲の適切なサポートを得て時間をかけて取り組んでいくことで、症状改善につなげることができるのでは、とも話していました。

 

取材を終えて・・・

リポートの中でもお伝えしていますが、私はこのとき電話越しではありますが、加藤さんと出会って7年で、初めて彼の声を聞きました。そのときの驚きとともに、熱い気持ちを少し思い出しました。

場面かん黙の症状改善に関する取り組みについては、よく“スモールステップ”ということばが使われます。小さな小さな一歩でも、積み重ねていけば、いつの間にかとてつもなく長い距離を歩いているかも知れません。ゆっくりかも知れませんが、自分次第で“変わることができる”ということを、彼の歩みが教えてくれているのかも知れません。 

  • 牧野雅光

    NHK富山局

    牧野雅光

    愛知県出身。富山に来て、10年目になります。 多様な人々が少しでも暮らしやすい社会になるよう、微力ですが情報発信に努めていきます。

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