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韓国総選挙、与党敗北108議席 野党は過半数獲得

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【ソウル=藤田哲哉】韓国総選挙(一院制の国会議員選)は11日午前、開票作業が終了した。最大野党「共に民主党」は過半数を上回る議席を獲得し、少数与党「国民の力」は現有議席割れとなった。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の求心力低下は避けられず、対日関係改善を進めた推進力にブレーキがかかる可能性もある。

韓国総選挙は4年に1回で、5年に1回の大統領選とは別に実施される。今回の総選挙は3年の任期を残す尹大統領の「中間評価」との位置づけだが、野党側が選挙戦でアピールした「政権審判」に多くの有権者が賛同した。

韓国メディアによると、全300議席のうち、共に民主党は系列政党を含め、改選前の議席を増やし175議席を獲得。国民の力は系列政党も含めて108議席にとどまった。曺国(チョ・グク)元法相が率いる「祖国革新党」は12議席を獲得した。残る5議席を他の新党などが占めた。

選挙前の現有議席は、共に民主党が156議席、国民の力が114議席(ともに系列政党を含む)で、政権与党と国会の多数派がねじれている状態だ。

選挙結果を踏まえ、尹大統領は11日午前に「総選挙での国民の意思を謙虚に受け止め、国政を刷新する。経済と民生の安定のために最善を尽くす」と表明した。大統領室が伝えた。

国民の力の選挙戦を率いた韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長は同日、敗北の責任を取り辞任すると表明した。「すべての責任はひたすら私にある」と強調した。

これまで尹政権は日本との関係を重視し、元徴用工問題では解決策を推進してきた。日韓関係の改善は日米韓3カ国の安全保障協力を進める基盤になっているが、与党敗北で尹政権の対日政策にも影響が及ぶ可能性がある。

選挙戦では韓国の大学医学部の2000人定員増への対応や物価高対策などで逆風が吹き、与党にとっては厳しい戦いとなった。

共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は自らの当選を確実にした後、「有権者の選択は尹政権に対する審判だ。より良い世の中をつくってくれという責任を課されたと思う」と語った。

総選挙の投票率は67.0%(暫定値)で前回の2020年選挙より0.8ポイント上昇した。1990年代以降では92年総選挙の71.9%に次ぐ高さとなった。

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