2カ月ぶり貿易赤字 7月、赤字幅は前年比94.5%縮小
財務省が17日発表した7月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は787億円の赤字だった。赤字は2カ月ぶりだが、赤字幅は前年同月に比べて94.5%縮小した。資源価格の高騰が落ち着いて輸入額が減った。半導体等製造装置などが不調で輸出額も微減となった。
貿易収支は6月に23カ月ぶりの黒字となったが再び赤字に転落した。中国向け輸出などが減って輸出額は2021年2月以来、29カ月ぶりの減少となった。
輸入は前年同月比で13.5%減の8兆8036億円だった。原粗油は29.7%減の8032億円、液化天然ガス(LNG)は42.3%減の4533億円で輸入額を引き下げた。主にアラブ首長国連邦(UAE)やマレーシアからの輸入が減った。
原粗油はドル建て価格は1バレル当たり80.5ドルと前年同月から30.8%下がった。為替レートは4.6%の円安に振れたが、円建て価格は1キロリットル当たり約7万2000円と27.6%下がった。
世界銀行によると7月のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の月平均価格は1バレル当たり76ドルで、前年同月の99ドルから23%下がっている。
輸入を地域別でみると中国が1兆9025億円と13.9%減少した。電話機や電算機類、医薬品の減少額が大きい。米国は9453億円で11.2%減だった。LNGや半導体等電子部品の輸入が振るわなかった。
輸出は8兆7249億円と0.3%の微減だった。半導体等製造装置の輸出額が26.6%減の2882億円だった。半導体不足の解消で自動車の輸出額は1兆5904億円の28.2%増となったものの、輸出額全体を引き上げるには至らなかった。
輸出を地域別でみると中国向けは13.4%減の1兆5433億円だった。自動車や半導体等電子部品などが減少した。米国向けは1兆7912億円で前年同月比で13.5%増えた。自動車の輸出が34.1%増の5650億円となった。
7月単月の貿易収支を季節調整値でみると5571億円の赤字だった。輸入が前月比2%増の9兆178億円、輸出も2%増の8兆4606億円だった。貿易収支の赤字幅は3.1%拡大した。
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