「プロフィール」のご紹介通り、もともと僕の特技は野球しかありませんでした。勉強をほとんどしてこなかったため、怪我が原因で野球の道を断念せざるを得なくなった時、今後何をしようか、自分に何ができるのかを考えました。その結果、自分が情熱を捧げることのできる仕事をしたいと思い、いろんな学校や職業を検討している中で、「ヘアメイクアップアーティスト」という仕事を知りました。そして、ヘアメイクをしているところを実際に見る機会があり、女性がまるで別人の様に可愛くなっていったことに衝撃を受けました。その変化の様子は、僕が野球以外に唯一自信を持てていた「油絵」と近いものがあり、色を豊かに重ねていくことでより美しい作品に成る!という自分の中のイメージとリンクしました。また、18年間のほとんどを男臭い“完全体育会系社会”の中で過ごした僕にとって、「女性を綺麗にする!」という仕事そのものに強い興味と、「この仕事をやればモテるかも!?」という根拠のない期待感を持ち(笑)、この道を志す決意をしました。その当時の美容師は、職人気質でいわゆる“ヤンキー”が多かったことも、僕にとってはプラス材料に感じました(笑)。
代表取締役社長 グループ代表
岩田 卓郎 様
岩田 卓郎さんのご紹介
<プロフィール>
- 岩田 卓郎(いわた たくろう)
- 1974年4月9日生まれ
- 神奈川県出身 42歳
- 株式会社エアーエンターテイメント
代表取締役社長 グループ代表
西陽一郎さんの想いにものすごく共感し、会いたくてたまらなくなりました。
ヘアメイクアップアーティストを志したきっかけは?
岩田さんがこだわっているヘアメイクとは?
それは「ヘアメイク」だけをするのではなく、ヘアメイクから撮影・現場の雰囲気創りに至るまで、“すべてをプロデュ―スする”ことです。これは専門学校時代から感じていたことですが、ヘアメイクの技術だけで競うのなら、僕よりも上手い人はゴマンといます。ヘアメイクの目的が映像撮影であれ、スチール撮影であれ、また撮影を必要としないメイクであれ、真の美しさを引き出すのはいつでも“笑顔”です。そして、真の笑顔は技術だけでは引き出せません。その場の雰囲気をどう良くして、モデルさんの気持ちをどう盛り上げるか、そこにいる全員の気持ちを一つにするには何が必要かを常に考え、みんなが好きな音楽、好きなお菓子、場が和む言葉の掛け方やギャグの飛ばし方など、些細な事から何でも実行しています。そうしてできた気持ちの良い雰囲気の中でヘアメイクをし、最高の状態でカメラマンさんにバトンタッチする。これが僕のヘアメイクに対する姿勢であり、こだわりです。僕に声を掛けてくださったお客さまは、ヘアメイクの技術よりも、むしろそういった“スキル”をご評価いただけているのだと思います。
「air」の理念・コンセプトについて
明確にしている「理念」があり、その中で「成功に向かう過程を大切にする!」という考えがあります。成功を勝ち取ることはもちろん大事ですが、そこに到達するまでに直面するさまざまな壁、それを乗り越えようとする過程の中にこそ、人としての成長があるという考え方です。そして、その厳しい過程を一緒に過ごした仲間達との信頼関係が組織をより強くすると考えています。どんな組織でもそうだと思いますが、「理念」は立てただけでは意味がなく、繰り返し言い続けて、腹に落ちて、初めて活きてくるものです。同じ言葉でも、何らかの壁を乗り越えた時にその言葉の意味をより深く理解できるようになり、自分自身もその変化に気付きます。創業して今年で18年目になりますが、毎月一度、全社員を集めて同じことを言い続けていますし、毎年一度、その「過程と変化」を実感してもらうための「合宿」も行っています。一日は120%遊び、一日は120%学ぶ。丸々2日間全社員がガチで参加する“完全体育会系”の合宿です。遊ぶも学ぶも全課程をチーム単位で競い、負けたチームには厳しい罰ゲームがあるからみんな必死です。同じチームに苦手な人が居るとか、そんな事を言う余裕すらありません。そうした厳しい状況の中で一緒に壁を乗り越えるからこそ、他者に対する評価も変わり、自分自身も変われた!という実感が得られます。
「合宿」の発案者はもちろん僕で、最初は全員から大反対を受けましたが、僕自身のポリシーとして絶対に引きませんでした。「美容師」云々の前に、まず人として魅力的な人間になること。そして「人としての教育」を会社として何よりも大切にすると決めていたからです。その想いをもち続けることで、その当時まだ少なかった店長たちが、徐々にその価値を実感し、認めてくれました。今では僕自身がそこに行かなくても、幹部のみんなが僕と同じ想いで「合宿」も、そしてサロンの現場も見事に切り盛りしてくれています。
周囲からはよく「経営がユニーク」だ、というお言葉をいただきますが、それは僕が「経営」というものについて全く勉強したことがないからだと思います(笑)。一冊の経営本ですら、「はじめに」から先に進めず、最後まで読んだことがありません。自分が完全体育会系の学生時代に経験してきたこと、若い頃さまざまな経営者の運転手やかばん持ちなどをして、肌で感じてきた事から、これはやるべき!と思ったことをとにかく形にしてきたからだと思います。これからもそのスタイルをブレずに「継続」させて行きたいと思います。