経理の繁忙期はいつ?3つの問題と忙しい時期を乗り切るポイント



経理は定期的に繁忙期のある部署です。それだけに、忙しくなる前に対策をしておかないと繁忙期に残業が増えたり疲労でミスが多発したりと、さまざまな問題が生じてしまいます。

最悪の場合、経理業務が停滞して企業全体に悪影響を及ぼしかねません。

そこで本記事では、下記の内容を解説します。

  • 経理業務が特に忙しくなるタイミング
  • 経理の繁忙期に生じやすい問題
  • 経理の繁忙期を乗り切るポイント

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目次[非表示]

  1. 経理の繁忙期はいつ?年間スケジュール・業務内容も紹介
    1. 月単位の繁忙期は「月末・月初」
    2. 年単位の繁忙期は「3月〜6月」「12月〜1月」
  2. 経理に繁忙期ができる理由
  3. 経理の繁忙期に生じやすい3つの問題
    1. 問題1.作業量が増える
    2. 問題2.残業が増える
    3. 問題3.ミスが増える
  4. 【個人向け】経理の繁忙期を乗り切る2つのポイント
    1. ポイント1.業務の優先順位を決める
    2. ポイント2.閑散期に準備をする
  5. 【企業向け】経理の繁忙期を乗り切る3つのポイント
    1. ポイント1.ペーパーレス化を推進する
    2. ​​​​​ポイント2.経理業務を効率化させるツールを活用する
    3. ポイント3.経理アウトソーシングを利用する
  6. 経理業務を効率化して繁忙期を乗り切ろう


経理の繁忙期はいつ?年間スケジュール・業務内容も紹介


はじめに、経理の繁忙期を「月単位」と「年単位」に分けて紹介します。


詳しく見ていきましょう。

月単位の繁忙期は「月末・月初」

月単位の繁忙期は、月末・月初に訪れやすい傾向があります。その理由は、月末に締め切った下記のような業務の処理を月初にかけて実施するためです。

  • 入金管理
  • 売上・支出の集計
  • 帳簿作成

また「月末にまとめて経理処理を依頼しよう」と考える他部署の社員が多い場合、当然ながら経理部員は月末にまとめて対応しなければなりません。

さらに、月単位でおこなう仕事の他にも「月次決算業務」という、前月の企業成績やお金の動きをまとめる業務をおこなう場合もあります。

「月次決算業務」のある企業では締日から10日ほどで月次報告をおこなうこともあり、そのような企業の場合、月末から月初はさらに忙しくなります。

年単位の繁忙期は「3月〜6月」「12月〜1月」

年単位の繁忙期は業種や企業ごとに異なりますが、一般的には下記の時期に忙しくなります。

  • 決算関連業務や株主総会のある「3〜6月」
  • 年末調整の業務がある「12月〜1月」

ここで、経理業務の年間スケジュールを確認しておきましょう。(※3月期に決算する企業の場合)


主な業務内容

1月

繁忙期

  • 月次・四半期決算業務
  • 償却資産税の計算・納付
  • 法定調書の作成
  • 年末調整にともなう事務作業

2月


  • 月次決算作業
  • 予算計画策定作業

3月

繁忙期

  • 月次決算作業
  • 予算計画策定作業
  • 実地棚卸の確認

4月

繁忙期

  • 月次・本決算作業
  • 株主総会の準備

5月

繁忙期

  • 月次・本決算作業
  • 株主総会の準備
  • 消費税・法人税等の計算・納付

6月

繁忙期

  • 月次・本決算作業
  • 株主総会
  • 夏季賞与支給にともなう作業

7月

繁忙期

  • 月次・四半期決算作業
  • 社会保険関連の事務作業(定時決定、年度更新等)

8月


  • 月次決算作業

9月


  • 月次決算作業
10

繁忙期

  • 月次・四半期決算作業

11月

繁忙期

  • 月次決算作業
  • 法人税等の中間申告・納付

12月

繁忙期

  • 月次決算作業
  • 冬季賞与支給
  • 年末調整にともなう事務作業


​​​​​​​繁忙期は、決算業務など作業量の多い仕事に加えて、毎日の業務と月単位の業務も同時にこなさなければなりません。

さらに、決算申告は事業年度の翌日から2ヵ月以内に提出するよう期日が定められています。締め切りに間に合わせる必要があるため、本決算作業がある月は忙しくなりがちです。

また、「社会保険関連の事務作業をする7月」や「法人税等の中間申告・納付のある11月」も、締め切りのある作業が増えるのでより忙しくなります。

企業規模にもよりますが、年間を通して閑散期のほうが少ない会社も珍しくありません。

では、各企業の経理・財務担当部署は、繁忙期にどのくらい残業をしているのでしょうか。

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経理に繁忙期ができる理由


経理に繁忙期ができる理由は、月次業務の内容と年次業務の内容が日次業務に重なるタイミングがあるからです。

具体的には、下記の表に示すような「毎日の業務」「月単位の業務」「年単位の業務」が同じ時期に重なり、作業量が増えるため忙しくなります。


業務頻度

業務内容の例

毎日の業務

  • 経費精算
  • 売上集計
  • 帳票の作成
  • 仮払金の管理
  • 預金・現金管理

月単位の業務

  • 在庫管理
  • 給与計算・支払い
  • 買掛金や売掛金の管理
  • 領収書や請求書の発行
  • 源泉徴収税や社会保険料の納付

年単位の業務

  • 賞与計算
  • 年末調整
  • 各種税金の納付
  • 償却資産の実査
  • 決算書類の作成・確定申告



​​​​​​​また経理業務のなかには、従業員からの資料が届かないと始められない仕事もあり、すべての業務が自分の思いどおり進むとは限りません。

したがって、途中まではスムーズに業務をこなせていたとしても、最終的に忙しくなってしまうケースもあります。

経理の繁忙期に生じやすい3つの問題


経理の繁忙期には、下記のような問題が起こりやすくなります。

  1. 作業量が増える
  2. 残業が増える
  3. ミスが増える

対策をする前に、まずはどのような問題があるのかを確認しましょう。

問題1.作業量が増える

前章でお伝えしたように、経理業務が忙しくなる原因は毎日の業務に月単位の業務と年単位の業務が重なり、作業量が増えるからです。

例えば、年単位の業務に当たる「決算業務」には、下記のような業務が含まれています。

【決算業務の例】
  • 当期分の記帳確定
  • 資産、負債の実地棚卸・残高確認
  • 決算整理仕訳
  • 決算書の作成
  • 株主総会で承認を受ける
  • 決算書をもとに税務の申告書を作成・提出


​​​​​​​決算業務だけで多くの作業があるにもかかわらず、月単位の業務が重なり、さらに毎日おこなう業務も加わるため忙しくなってしまうのです。

また、年末調整などの業務は控除書類の回収をはじめ、従業員の協力が必要な業務もあります。

従業員規模の大きな企業では、回収した書類のチェックが多く、業務が煩雑になりやすいことも忙しくなる原因の一つです。

そして、人手不足のまま作業量が増えると余計に忙しさが増して、残業やミスも多くなる悪循環に陥りかねません。

問題2.残業が増える

繁忙期には作業量が格段に増えるため、業務時間内に作業が終わらず残業をするケースもあります。特に、月末月初は請求・支払い業務が集中しているので、残業しなければならない日が増えてしまいがちです。

また、経理業務は特別な知識や経験が必要で、属人化しやすい側面もあります。

業務を遂行できる人が限られると担当者だけに負担が偏り、残業が増えて従業員の不満につながりかねません。

そのため、経理業務の課題を明確にし、業務をブラックボックス化しないような仕組み作りが必要です。

  • 属人化:業務内容や進め方について、特定の社員のみが把握している状態
  • ブラックボックス化:内部でどのような作業が行われているのか分からない状態

※属人化を放置していると、ブラックボックス化が進んでしまう


​​​​​​​当サイトでは、ブラックボックス化の危険性とその解消法についてまとめた資料を無料配布しています。

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経理業務でよくある課題や改善策を知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

  経理業務でよくある4つの課題とは?改善方法や手順、事例など総まとめ 経理業務を改善すると、結果的に企業の利益拡大にもつながります。本記事では、経理業務でよくある課題を伝えたうえで改善方法・改善手順を紹介しますので、ぜひご一読ください。 NTTファイナンス株式会社


問題3.ミスが増える

繁忙期は作業量が増えるため、担当者にかかる肉体的・精神的負担も大きくなります。疲労が徐々に蓄積すると集中力が低下し、下記のような人的ミスが増える原因にもなりかねません。

  • 経費や売上の二重計上
  • 在庫の計上漏れ
  • 領収書の紛失・不備
  • 数字の打ち間違い・計算間違い

お金に関わる業務が多い経理部門は、小さなミスでも企業にとって大きな損失につながる場合があります。

そのため、自動化ツールを導入したり経理代行サービスを活用したりして、人的なミスを少なくする工夫が必要です。

【個人向け】経理の繁忙期を乗り切る2つのポイント


ここからは、経理の繁忙期を乗り切るポイントを個人編・企業編に分けてお伝えします。はじめに、個人でできる2つの対策を見ていきましょう。

  1. 業務の優先順位を決める
  2. 閑散期に準備をする

ポイント1.業務の優先順位を決める

繁忙期は多くの業務を抱えがちです。複数の業務を同時並行で進めると、それぞれの作業が中途半端になってしまい、業務の質が低下したりミスを招いて修正作業が増えたりするリスクもあります。

忙しいときこそ業務内容を詳細に把握し、優先順位をつけて業務を行いましょう。具体的には、下記のように優先順位を決めるのがおすすめです。

  1. 緊急性・重要度の高い仕事
  2. 重要度は低いが緊急性の高い仕事
  3. 重要度は高いが緊急性の低い仕事
  4. 緊急性も重要度も低い仕事


2や3は、業務内容を見て優先度を入れ替えてもいいでしょう。

すぐに終わるような簡単なタスクは先に消化してしまうなど、工夫しながら業務を進めると効率が良くなります。

ポイント2.閑散期に準備をする

繁忙期を乗り切るためには、閑散期に事前準備をすることが大切です。閑散期のうちに経理の業務フローを整理して、どこに課題があるのかを明確にしましょう。

そして、できる部分から業務改善することで、人的ミスの削減や業務標準化・属人化の解消などにつながります

業務フローを作成する際は、下記6つの手順で進めるのがおすすめです。

【経理業務フローを作成する6つの手順】

  1. 作成する目的を明確にする

  2. 業務内容の詳細を把握する

  3. さらに粒度を下げて業務を洗い出す

  4. 作業工程ごとのタスクを確認する

  5. 洗い出したタスクを時系列で並べ替える

  6. 効率化できる業務がないかチェックする


経理業務は年間スケジュールがおおむね決まっているため、次の繁忙期に備えて準備できるのが利点です。

あわせて経理に必要な知識を深めておくと、業務をスムーズに進めやすくなります。

なお、下記の記事で経理業務フローの例や実際の作成手順を紹介していますので、関心のある方はご参照ください。

  経理業務フローとは?6つの作成手順や効率化のポイントも紹介 経理業務フローとは、経理における業務内容や手順を図で表したものです。本記事では経理業務フローの作成手順や効率化のポイントについて解説します。 NTTファイナンス株式会社


【企業向け】経理の繁忙期を乗り切る3つのポイント


続いて、経理の繁忙期を乗り切るために企業ができる対策を3つ紹介します。

  1. ペーパーレス化を推進する
  2. 経理業務を効率化させるツールを活用する
  3. 経理アウトソーシングを利用する

企業全体で対策をおこなうと、一気に効果を実感しやすいです。それでは、一つずつ見ていきましょう。

ポイント1.ペーパーレス化を推進する

経理は請求書や納品書など、書類を紙で取り扱うことが多い部門です。それだけに、ペーパーレス化を進めてデータをPCやオンライン上での管理に切り替えると、多くのメリットを得られます

【ペーパーレス化によるメリット】

  • 書類管理の手間を削減できる

  • 社内での情報共有が容易になる

  • 場所の制限がなくなるためリモートワークを促進できる

  • 書類の保管スペースが不要になる

  • 紙代・印刷コストなどの経費を削減できる

  • 情報漏洩リスクを低減できる


2022年には電子帳簿保存法が改正され、国税関係帳簿・書類の電子データ保存がしやすくなりました

電子帳簿保存法が改正された背景の一つに、文書管理の手間を削減したりコストカットをしたりと、国を挙げてペーパーレス化を促進する狙いがあります。


ただし、データ保存する際は電子帳簿保存法で定められた要件を満たす必要があり、正しく理解していないまま保存すると、青色申告の取り消しや追徴課税を課されるリスクがあります。

リスクを避けるためにも、保存要件に関する正しい知識を持つことが大切です。

当サイトでは、電子帳簿保存法に関するお役立ち資料を無料で配布しています。電子帳簿保存法の改正ポイントや対策方法を知りたい方は、下記のバナーをクリックのうえお気軽にダウンロードしてください。

\保存要件の概要はコレひとつでOK!/

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​​​​​ポイント2.経理業務を効率化させるツールを活用する

作業量が多く煩雑な業務のある経理部門には、事務処理能力の高い経理システムやクラウド会計システムの導入がおすすめです。

例えば、NTTファイナンスの「楽々クラウド決済サービス」は、請求する料金の計算から回収までを自動化できるオールインワン型クラウドソリューションです。

収納状況もクラウド上で管理している情報に自動反映されるため、請求・回収業務の効率化をクラウドサービス上で実現できます。


多様な決済手段を用意しており、口座振替ができなかった顧客に対して請求書を自動送付する機能もあります。

BtoB・BtoC(※)のどちらにも対応できる「楽々クラウド決済サービス」の詳細が気になる方は、下記のバナーをクリックのうえ活用ガイド資料をダウンロードしてください。

\自社での導入効果をイメージしやすくなる!/

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(※)BtoBは、企業相手に事業や商取引を行うビジネス形態のことで、 BtoCは一般消費者をターゲットにしたビジネス形態を指します。 

ポイント3.経理アウトソーシングを利用する

経理業務を外部に委託(アウトソーシング)するのも繁忙期を乗り切るための方法です。特に、経理担当者が少なく、従業員の抱える業務が多い企業におすすめです。

すべての経理業務を他社に任せることに抵抗がある場合は、業務の一部だけを委託したり、繁忙期だけ依頼したりすることもできます。

経理のアウトソーシングで任せられる業務の例は、下記のとおりです。

【経理アウトソーシングで任せられる業務の例】


  • 記帳業務
  • 請求書、納品書などの発行
  • 給与計算
  • 年末調整
  • 決算書作成・決算申告 など


アウトソーシングを上手に利用すれば、経営に関わる「コア業務(※)」に注力できるようになるため、企業の利益拡大につながるでしょう。

※「コア業務」とは、直接的に企業の利益や売り上げを生み出す業務を指します。

経理のアウトソーシングについて詳しく知りたい人は、次の記事をご覧ください。

  経理アウトソーシングとは?メリット・デメリットや料金相場、外注との違い方など全まとめ 経理アウトソーシングとは、自社で実施している経理業務を外部に委託することです。本記事では、経理アウトソーシングで依頼できる業務例からメリット・デメリット、失敗しない選び方まで網羅的に解説します。 NTTファイナンス株式会社


また下記の記事では、経理代行サービスの料金相場や選び方・おすすめサービスを紹介していますので、あわせてチェックしてみてください。


  経経理代行とは?おすすめサービス10選、メリット・選び方など全まとめ 経理代行とは、自社で実施している経理業務を代行してもらうことです。本記事では、経理代行サービスの料金相場からメリット・デメリット、おすすめサービスまで網羅的に解説します。 NTTファイナンス株式会社


経理業務を効率化して繁忙期を乗り切ろう



【本記事のまとめ】

  • 経理の一般的な繁忙期は、月単位だと「月末・月初」、年単位だと「3月〜6月」と「12〜1月」
  • 経理に繁忙期ができる理由は、月次業務の内容と年次業務の内容が日次業務に重なるタイミングがあるから
  • 忙しくなる前に対策をしておかないと、繁忙期に残業が増えたり疲労でミスが多発したりとさまざまな問題が生じてしまう


経理の繁忙期は作業量が増えるため、担当者にかかる肉体的・精神的負担が大きくなってしまいがちです。

最悪の場合、経理業務が停滞して企業全体に悪影響を及ぼすおそれもあるため、個人だけでなく企業も含めた対策が重要です。

経理業務を効率化して、企業の利益拡大につなげましょう。

なお、経理業務を効率化するなら「経理DX」の推進がおすすめです。

経理DXとは、デジタル技術を活用して経理業務フローや従業員体験を変革させることを指し、繁忙期の作業量や残業を減らすメリットがあります。

当サイトでは、経理DXのメリットや進め方がわかる資料を無料配布していますので、下記からお気軽にダウンロードしてください。

\働き方改革を実現!経理DXガイドはこちら/



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