折衝とは? 意味や折衝力を上げる4つのポイントを解説

「折衝」は顧客や取引先との話し合いを成功させるために欠かせないスキルです。

本記事では「折衝」の意味を解説するとともに、折衝力がある人の特徴や、折衝力を上げるための4つのポイントも見ていきます。ビジネスパーソンとしてのスキルアップを目指す上で、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。

「折衝」の意味

折衝とは「双方の妥協点を見つけるための話し合い」という意味を持つ言葉ですが、ビジネスシーンでも用いられています。

  • 「折衝」の日本語としての意味
  • ビジネスにおける「折衝」の意味

上記の2点について解説していきますので、それぞれの意味を整理し、理解を深めていきましょう。

「折衝」の日本語としての意味

「実用日本語表現辞典」によると、折衝の日本語としての解説は以下の通りです。

折衝(せっしょう)とは、利害の一致しない相手と、問題の解決に向けて、話し合いなどの手段によって駆け引きすること。双方が納得できるように互いの要求をすり合わせ、落とし所を探り、折り合いを付ける、そうした営みと解釈される。”

折衝は利害が一致しない相手に対し、お互いが納得できるよう、話し合いなどで解決を図ることを意味します。

参照:weblio辞書「実用日本語表現辞典|折衝」

ビジネスにおける「折衝」の意味

ビジネスの現場で用いられる「折衝」とは、利害関係のある相手との話し合いの場で、妥協点を見つける作業のことです。

折衝は個人間ではなく、企業間など集団同士での話し合いや駆け引きに使用されます。よく使われる場面としては、営業職や接客などお互いに利益や成果を求める職種における「顧客折衝」、資金調達における「銀行折衝」などがあります。

ビジネスを円滑に進めるためには、折衝を行う能力である折衝力が欠かせません。折衝力には、傾聴力や論理的思考力、客観性などが必要になります。

折衝力がある人とは

折衝力がある人は、話し合いによって双方の妥協点を見つけた上で、適切な駆け引きができるスキルを身につけています。ここでは折衝力のある人の特徴として、以下の3点について詳しく解説します。

  • 相手の立場で考えられる人
  • 代替案を提案できる人
  • 要求を分かりやすく伝えられる人

相手の立場で考えられる人

折衝において互いの妥協点を見つけるには、相手の立場で物事を考える能力が必要です。相手の立場を考慮することで、相手の希望を理解でき、折り合いのポイントを発見できるようになります。

よくあるケースとして、相手の上司から好条件で取引をするようにという圧力がかかっている場合は話し合いが難航しがちです。このように、話し合いの場にはいない第三者が影響しているケースもあるため、相手の立場を考えてみることは重要なポイントです。

相手の状況が分かれば、問題解決に向けた提案をする形で次のステップに進めることができます。

代替案を提案できる人

折衝の場面では、話が平行線になるといったケースも想定されます。話し合う中でお互いに納得できるような具体的な代替案を提示できる人は、折衝力があるといえるでしょう。

その場で代替案を考える人もいますが、折衝力のある人は事前に複数の条件を用意しておくケースがほとんどです。

相手の表情や仕草といった反応を確認しながら、状況に応じて適切な代替案を提示することで、相手の理解を得られます。

要求を分かりやすく伝えられる人

自分の意見や要求を分かりやすく伝えるスキルは、折衝において必要不可欠です。自分の求めているものを相手に正確に伝えられて初めて、互いの妥協点を探ることができます。

例えば、最初に結論を述べてから根拠を話す、要求の背景や数字を交えて具体的に話すといった工夫をすれば、相手が話の要点をつかみやすくなります。また話術だけではなく、その場の雰囲気や話の流れを考慮し、適切なタイミングで要求を伝えることも重要です。

折衝力を上げる4つのポイント

折衝力を上げるためには、日頃から重要なポイントを意識して訓練しておくことが大切です。ここでは折衝力を上げる以下の4つのポイントについて詳しく解説します。

  • 事前準備を怠らない
  • 相手の話に耳を傾ける
  • 客観的な視点から物事を考える
  • 相手が話しやすいよう意識する

事前準備を怠らない

あらかじめ折衝のために必要な情報収集をし、それを踏まえた提案内容を準備しておきましょう。事前準備を万全にしておけば、実際の折衝の現場で焦ることなく、柔軟な対応ができるようになります。

具体的には、相手企業の公式サイトなどから課題やニーズを把握する、相手が求める条件の仮説を立てる、複数の提案内容を用意するといった方法があります。折衝の場面をシミュレーションし、様々な伝え方を考えておくことも欠かせません。

ただし、完璧な準備のし過ぎには注意しましょう。なぜなら、結論ありきで準備を進めてしまうと、当日相手の話から新たな情報を得て方向の修正が必要になったときに柔軟な対処が難しくなる場合があるからです。

想定される準備をしつつ、相手の話をしっかり聴いて要望に答えられる柔軟性を備えておくと、折衝をうまく進めやすくなるでしょう。

相手の話に耳を傾ける

相手の話をよく聞き、相手目線で物事を考えることも重要です。納得がいかない理由や本当に求めている条件を理解できるだけでなく、真摯に傾聴する姿勢は相手からの信頼を得ることにもつながります。

まずは相手の表情を確認しながら話を聞き、心情や立場をくみ取りましょう。必要に応じて相づちや共感、質問をすると相手の本音を引き出しやすくなります。傾聴力を高めるためには、日頃の社内業務で傾聴を実践することも有効です。

客観的な視点から物事を考える

折衝の現場では自分の主張ばかりではなく、俯瞰して判断するようにしましょう。客観的に全体像を捉えられれば、話し合いが難航している場面でも視野が広がり、問題解決に向けた提案ができるようになります。

物事を俯瞰する力は、日常的に想像力を働かせることで身につけることが可能です。常に相手の求めることや物事の目的などを考える癖をつけておけば、いざという時に視野が狭くなりにくく、一歩引いて全体を見渡せるようになります。

相手が話しやすいよう意識する

相手への思いやりの気持ちを持ち、話しやすい雰囲気をつくることも欠かせません。配慮の気持ちが伝われば、本音を話しやすい環境が整えられるため、円滑な折衝を期待できます。

例えば笑顔ではきはきと話す、対話の際に相手の目を見る、適度な相づちを打つといった方法があります。専門用語を理解しやすい言葉に言い換えることも、話し合いをスムーズに行うコツです。まずは相手の視点に立って、どのような振る舞いが適切かを考えてみましょう。

「折衝」に関連する言葉とその違い

ビジネスシーンでは「交渉」や「渉外」のように、「折衝」に関連する言葉が複数存在します。ここでは、以下の2つの言葉の違いについて解説していきます。

  • 折衝と交渉の違い
  • 折衝と渉外の違い

使い間違えることのないよう、それぞれの言葉の意味を把握しておきましょう。

折衝と交渉の違い

「デジタル大辞泉」によると、「交渉」は特定の問題について話し合うことを意味する言葉です。

“特定の問題について相手と話し合うこと。掛け合うこと。「労働条件について—する」”

話し合いという意味では折衝と同義として言い換えが可能ですが、多少のニュアンスの違いがある点を理解しておきましょう。交渉は相手との話し合いを意味するのに対し、折衝は駆け引きや落とし所を見つけるという意味を持ちます。

参照:weblio辞書「デジタル大辞泉|交渉」

折衝と渉外の違い

「実用日本語表現辞典」によると「渉外」の意味は以下の通りです。

“外部と連絡を取り、交渉や折衝を行うこと。相手組織と駆け引きすること。渉外活動。”

渉外は自社以外との交渉や折衝を行うこと、またその業務自体を意味する言葉です。実際に百貨店や金融機関などでは「渉外業務」と呼ばれる、提案営業などを行う業務があります。

折衝は双方の妥協点を見つける行為であるため、渉外とは適切なシーンが異なる点に留意しましょう。

参照:weblio辞書「実用日本語表現辞典|渉外」

折衝力を身につけてビジネスマンとしてさらに活躍しよう

ビジネスにおける折衝とは、利害関係のある相手との話し合いにおいて、妥協点を見つける作業のことです。話し合いを円滑に進めるためには、折衝をする能力である「折衝力」が必要になります。

折衝力がある人は、相手の立場で物事を考え、要求を分かりやすく伝えられます。徹底した事前準備に加え、傾聴力や俯瞰力によって折衝力を高めることが可能です。

ビジネスパーソンとしてのさらなる活躍を目指す上でも、折衝力を習得していきましょう。

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