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自宅でトレーニングをする人が増えたことで、筋トレグッズの人気も高まっています。しかし、自宅の限られたスペースに大型マシンを置いたり、トレーニンググッズで部屋をいっぱいにしたりするのは抵抗が…。できるだけ無駄なく、本当に必要な筋トレグッズだけを揃えたいですよね。

そこで今回は、トレーニング歴20年のパーソナルトレーナー・林健太さんを取材。プロが太鼓判を押す、自宅トレにマストな15アイテムをランキング形式で紹介、「かいサポ」チームがおすすめ商品をピックアップしました。

林さんには、それぞれのグッズがどの部位のトレーニングに効果的なのか、使い方や選び方の注意点もアドバイスしていただきました。

林健太さん

林健太さん
プロレスラーに憧れて中学生からトレーニングをスタート。怪我によりプロになる夢は諦めるも、立ち直るキッカケをくれたトレーニングは継続し、トレーナーに転身する。現在はパーソナルトレーナーやSIXPAD HOMEGYM、FitnessMirroのインストラクターとして活動中。Instagram:@kenta_0327_

グッズありとグッズなしで筋トレ効果は変わる?

女性がトレーニングする様子

Image:Shutterstock

今までとは違う負荷をかける

林さん曰く、トレーニンググッズを取り入れるメリットは、筋トレのバリエーションを増やせる点にあるそうです。「グッズを使わなくても体を鍛えることはできますが…」と前置きしたあとで、こう続けます。

「ある程度、自重トレーニングを重ねていくと、徐々に体が負荷に慣れてきます。『少し物足りないな』、と感じるようになったタイミングで、グッズを取り入れるのがおすすめです。普段と違う負荷をかけたり、動きを取り入れたりすることで、今まで以上のトレーニング効果を得ることができますよ」

初心者は基礎的な自重トレーニングで鍛えよう

トレーニングの効果を高めることができる筋トレグッズですが、初心者が取り入れる場合には注意が必要とのこと。

「基礎となる全身の筋肉が不足していると、せっかくのグッズも効果的に使うことができません。というのも、筋トレグッズはトレーニングに負荷をかけるものなので、ある程度の筋力がなければ、思うように体が動かないばかりか、怪我をする原因にもなります。

まず、腹筋や腕立て伏せなど、自重トレーニングで体幹をベースに全身をしっかり鍛えてから、+αでグッズを使うのが理想的

あくまでも、トレーニング効果を高めるための補助的アイテムとして、自分に合った取り入れ方を見つけましょう」。

初心者の場合、トレーニンググッズの利用は必須ではなく、むしろ自重トレーニングで大きな筋肉群を鍛えた方が◎。

腹筋や腕立て伏せなど、基本的な自重トレーニングが無理なく行えるようになれば、筋トレグッズを使うための体幹が鍛えられたと考えていいそうです。

プロが厳選!自宅にそろえたい筋トレグッズ1〜15位

では、実際に揃える時は、どんな筋トレグッズを選ぶといいのでしょうか。林さんによると、選ぶポイントは「長く使えるもの」や「コンディショニングの役割を果たしてくれるもの」がベストとのこと。

ということで、自宅トレにおすすめの筋トレグッズTOP15を林さんが選定。それぞれのアイテムの特徴はもちろん、鍛えられる体の部位も解説します。

また、「かいサポ」チームが具体的な商品をピックアップしたので、筋トレグッズ選びの参考にしてみてくださいね。

1位 フォームローラー シックスパッド

林さんが1位に選んだのは、ポール状のコンディショニンググッズ「フォームローラー」。

「ストレッチローラー」とも呼ばれますが、使い方は、ポールの上に仰向けで寝るだけ。5分ほど左右に体を揺らしていれば、体の重みにより、凝り固まった筋肉をほぐすことができます。

フォームローラーはコンディショニング用のグッズですが、自重トレーニングにも役立つそう。

「腕立て伏せをする際に、ポールを手や足の下に置いてみてください。バランスが取りづらくなる分、体に負荷がかかり、筋トレになります」と林さん。

筋膜リリースと筋トレ、ストレッチの3役をこなす万能グッズなので、上級者・初心者問わず、ひとつ持っておくといいでしょう。

中でもシックスパッドの「ボディポール」は、硬すぎず、程よいクッション性を持つのが特徴です。全長90cmで仰向けになった際も体が安定しやすく、筋膜リリース、筋トレ、ストレッチが安心して行えます。

コスパ:★★★★★

2位 腹筋ローラー アクティブウィナー

腹筋ローラーは、その名のとおり腹筋を中心に、腕、背中、体幹などを鍛えることができる筋トレグッズ。ローラーを両手で握り、床の上でゆっくり前に転がしながら体を鍛えます。

かなり負荷がかかるので難易度は高め。初心者は、膝を着いて負荷を少し減らして行なうのがおすすめです。トレーニングレベルに合わせて負荷を調整できるので、筋トレ初心者から上級者まで使えます。

中でも林さんがすすめるのは、アクティブウィナーの「腹筋ローラー」。隙間の空いた二輪構造になっているため、前方に転がす際もバランスを取りやすく、ホイールに滑り止めがついているので、ケガのリスクも軽減してくれます。

コスパ:★★★★★

3位:バランスボール ラヴィ

林さん曰く、座っているだけで体が鍛えられるバランスボールは、“ながら筋トレ”にもってこいだそう。不安定なボールの上でバランスを取ることで、無意識に腹筋や下半身の筋肉に負荷がかかってトレーニング効果が得られます。

自然と背筋が伸びるので、猫背改善にも効果的。集中力もアップするといわれていて、リモートワーク用の椅子代わりに取り入れる人も多いようです。

また、バランスボールの上で上体を反らしながら腹筋運動をすると、可動域が広くなる分負荷が多くかかり、高いトレーニング効果が得られます。

「姿勢よしお」は、直径65cmの大きめサイズなので幅広い体型の人が使えます。耐荷重は300kg、弾力のある塩化ビニル素材で穴が開いても破裂しにくい点も魅力です。

コスパ:★★★★★

4位:プッシュアップバー ハービンジャー

「プッシュアップバー」は、腕立て伏せの負荷をアップさせるための筋トレグッズ。グリップを握りながら腕立て伏せをすると、腕・肩・胸・背中など上半身の可動域が広くなり、負荷をかけることができます。

ただしかなり重い負荷がかかるため、初心者はまずグッズを使わずに腕立て伏せができるようになってから、取り入れてください。

アーチ状のプッシュアップバーが一般的ですが、林さんのおすすめは円盤型になったハービンジャーの「プッシュアップバー」。地面にペタッと接するので安定感があり、トレーニング中にバランスを崩してケガをするリスクを減らせます。

コスパ:★★★☆☆

5位:チューブ ジェントルマンフィットネスクラブ

チューブタイプの筋トレグッズは、ゴムの張力で負荷をかけることができます。体に巻いたり、手足に掛けたりしながらスクワットや腕立て伏せなどを行なうと、適度な負荷がかかり効果的。

それだけでなく、筋トレのアシスト役もこなすのがチューブのすごいところ。例えば懸垂は、鉄棒にチューブを巻いて足に掛けつつ行なうと、ゴムの張力が加わり楽に行なうことが可能です。

ハンドルや金具がついたチューブもありますが、用途が限られてしまうのが難点。ジェントルマンフィットネスクラブの「レジスタンスバンド」のような1本の輪になったタイプを選ぶのがベストです。

天然ゴムで耐久性が抜群なうえ、硬度が異なる5本のチューブがセットになっているため、自分の好みや鍛える体の部位によって使い分けが可能。

コスパ:★★★★★

6位:トレーニングシート&パッド フローイン

体幹を鍛えることに特化した筋トレグッズはさまざまありますが、収納可能なコンパクトなシートタイプを選べば狭いスペースでもトレーニングが行えます。

「フローイン」は、元サッカー日本代表選手の長友佑都さんが愛用する筋トレグッズ。床に敷くシートと、パッドがセットになっています。パッドに手足や膝などを置き、シートの上で滑らせながら運動を行うことで体幹が鍛えられます。

林さんによると滑りやすいシートの上では手足を前後に動かすだけでもバランスが取りづらく大変だそう。縦98cm×横138cmという一般的な畳一枚よりも小さいサイズ感で、重量は2.7kgの持ち運びもできるトレーニングマット。少々値は張りますが、自宅の限られたスペースで効果的に体を鍛えられるので、星は4つ。

コスパ:★★★★☆

7位:レブナ エボリューション

今や筋トレ中でもマスク着用は必須のマナー。どうせなら、トレーニング中、呼吸も一緒に鍛えられるマスク型のトレーニンググッズを取り入れてはいかがでしょう。感染対策と呼吸のトレーニング、一石二鳥の効果が得られます。

「レブナ エボリューション」はバルブがついた斬新な見た目のマスク。上下2層構造になっていて、鼻からは空気を“吸う”だけ、口からは“吐く”だけしかできないようになっています。つまりマスクを着けていさえすれば、自ずと鼻呼吸ができるのです。

こちらのマスクはウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をする際に装着するのがおすすめ。持久力と心肺機能の向上などに期待大。色柄が豊富で好みに合わせてチョイスできるのも魅力です。

コスパ:★★★☆☆

8位:ピラティスボール GronG

筋トレはもちろん、ヨガやピラティス、体幹トレーニングなど、さまざまな使い方ができるこちらのボール。

「床に仰向けになってお尻を持ち上げる『ヒップリフト』というトレーニングの場合も、両脚でボールを挟んだり、足の下にボールを置いたりして行なうとより効果的。

内転筋やお尻の筋肉がより一層鍛えられますよ」と林さんもおすすめ。

GronGの「ピラティスボール」は直径25cmのシンプルなもの。ポリ塩化ビニル素材で弾力があり、空気を入れるためのストローも付属しているので、ボールを膨らませるのも簡単です。価格もリーズナブルなので、1つ持っておいて損はないでしょう。

コスパ:★★★★☆

9位:縄跳び BODYMAKER

縄跳びは有酸素運動に打ってつけ。5〜10分ほど跳ぶだけで全身運動が簡単にできるので、忙しい人はランニング代わりに取り入れるのもおすすめです。全身の筋肉に効くだけでなく、体を動かすリズム感覚も身につけられます。

さまざまなタイプの縄跳びがありますが、林さんのおすすめはボディメーカーの「ヘビージャンプロープ」。ロープ自体に重みがあり、それによって手首や肘、腕、肩の筋力に負荷がかかり効果的に鍛えられます。

コスパ:★★★☆☆

10位:PROIRON ヒップバンド

PROIRON ヒップバンド


Image: Amazon.co.jp

ヒップバンドは、その名のとおりヒップトレーニングに特化した筋トレグッズです。太ももに装着してスクワットやサイドレッグリフトを行うと、お尻や太ももなど下半身に集中して負荷をかけることが可能です。

「特にスクワットをする際に使ってみてください。バンドで太ももを固定することで、お尻の筋肉への刺激をより強めることができますよ」と林さん。

中でもPROIRONの「ヒップバンド」は、強度の異なる3本セットになっており、ご自身のレベルに合わせたの負荷でトレーニングできます。布素材で肌触りが優しいので、太ももに直接触れても痛くなりにくいのが魅力的。

コスパ:★★★☆☆

11位:バランスディスク

バランスディスクは、空気を入れて膨らませる筋トレグッズです。ほかにもバランスボードやバランスクッションなどと呼ばれ、不安定なディスクの上で片足立ちしたり、お尻を乗せてバランスを取ったりするだけで体幹が鍛えられます。

また、ディスクを2つ用意し、両腕の下に置いて腕立て伏せをすれば体に重い負荷がかかり、トレーニング効果を高めることができます。両足の下に置いてスクワットするのも効果的。

こちらのフリスビー型の「バランスディスク」は、ディスクに入れる空気量で膨らみ方が変わり、空気をたくさん入れると、よりディスクの上でバランスを取るのが難しくなります。

表面に突起が付いていて、足の裏で踏むとマッサージされているような程よい刺激が得られます。

コスパ:★★★☆☆

12位:可変式ダンベル POWER BLOCK

普通のダンベルは、トレーニングのレベルによって重さを変える必要がありますが、何種類も揃えるのはお金と場所の無駄遣い。自宅の限られたスペースで筋トレをする人には「可変式ダンベル」がおすすめだと、林さんはいいます。

POWER BLOCKの可変式ダンベルなら、4.5〜23kgまでの9段階で重量のアジャストが可能。重さの調節方法も付属のピンを差し替えるだけなので、わずか3秒ほどで済みます。

四角いボックス型で収納しやすいのも長所。有能な分、少々価格帯は高めなので星は2つ。

コスパ:★★☆☆☆

13位:ウォーターウェイト シックスパッド

ウォーターバッグは、ポールの中に水を入れて使う筋トレグッズ。予測不能な動きをする水の移動に合わせてバランスを取るトレーニングは、体幹が鍛えられます。ポールを持っているだけでかなり重心が崩れやすいため、普段のトレーニングに慣れてしまったときに取り入れるといいかもしれません。

使い方も幅広く、ポールを振り回すように上体を動かすだけでも筋トレ効果あり。ヒットトレーニングなど激しい動きのある筋トレに使うと全身の筋肉に絶大な効果を発揮します。

シックスパッドの「ウォーターウェイト」は、ポールの中に6Lまで水が入り、水量で負荷のレベルを調整できます。バランス感覚が鍛えられ、高いトレーニング効果が期待できますが、やや値が張るので星は2つ。

コスパ:★★☆☆☆

14位:Wモンスターマンローラー ラヴィ

よりハードな筋トレをしたい人は、進化系の腹筋ローラーにチャレンジしてもいいかもしれません。2個セットの腹筋ローラーは、横の動きによって胸筋を鍛えられるのが特徴的。

ローラーのグリップを握り横に両腕を開く動きをすれば効果的に胸筋トレーニングができます。ただし、こちらは重い負荷がかかるため、やや上級者向け。いきなり取り入れるのではなく、ある程度体を鍛えたあとで使う方が良さそう。

「Wモンスターマンローラー」は、腹筋や胸筋、体幹を鍛えることが可能です。安全ストッパー付きで、滑りにくいスポンジグリップになっているのも使いやすいポイントです。

コスパ:★★☆☆☆

15位:トレーニングマット SKLZ

自宅で筋トレする場合、ケガの予防や騒音防止のためにトレーニングマットは必須。筋トレだけでなく、ヨガやストレッチなど幅広く使えるので、1つ持っておくと便利です。

SKLZの「トレーニングマット」は、黒いマットの上に筋力強化ガイドが描かれていて、筋トレの効果的なやり方もイラストで確認できる優れもの。初心者には嬉しい気遣いですね。

もちろんトレーニングマットとしてのスペックも申し分なし。縦183cm×横61cmほどの大きめなマットは、ポリ塩化ビニル素材でクッション性にも優れています。使い勝手が良く腹筋や腕立て伏せをはじめ、幅広いトレーニングで役立つでしょう。

コスパ:★★☆☆☆

「フォームローラー」の選び方と使い方に注意!

筋トレする様子

Image:Shutterstock

最後に、1位に輝いた「フォームローラー」の選び方や使い方をさらに深堀りすべく、林さんに詳しくお話を伺いました。

選び方の注意点

「フォームローラーやストレッチローラーなど、呼び名はさまざまですが、選ぶ際に気をつけたいのは“硬さ”です。ポールが硬すぎると刺激が強くなりすぎるので、ボディポールのように弾力のあるタイプを選ぶ方がいいでしょう。

ポールの表面に凹凸があるタイプもあり、ストレッチや筋膜リリースで使う際には体に程よい刺激を与えることができます。ただし、負荷がかかる自重トレーニングにも使う場合は、凹凸によって痛みを感じる恐れがあるので、表面がつるりとしたタイプがおすすめです。

長さにも幅がありますが、短いと手足の下に置きづらく筋トレには不向きなので、90cmほどの長めのタイプがおすすめですよ」。

筋トレにストレッチ、筋膜リリースと多様な使い方ができる「フォームローラー」ですが、使用する際には一点だけ注意してほしいと林さんはいいます。

使い方の注意点

「体の痛みを感じるまでやらないことが何より大事。人によっては痛いくらいやるべきという考え方もありますが、僕はそうは思いません。痛みが大きすぎると筋肉が拘縮してしまうので、コンディショニングとしては不向きです。

ポールに体が押されて気持ちいい、と感じるくらいで留めておきましょう」。

「どの筋トレグッズでもいいので、とにかく継続しましょう」というのが林さんのアドバイス。特に初心者は筋トレグッズを買って満足してしまいがちですが、使わないと意味がありません。1つグッズを買ったら壊れるまで使い続けてほしいと、林さんはいいます。

今回のアドバイスをもとに、自分に合った筋トレグッズを取り入れて効率的に、そして効果的に体を鍛えましょう。

Image:Shutterstock(サムネイル)

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