3月中旬、午後8時ごろの北斗七星の見え方=出(いず)雲(も)市大社(たいしゃ)町で撮影(さつえい)
3月中旬、午後8時ごろの北斗七星の見え方=出(いず)雲(も)市大社(たいしゃ)町で撮影(さつえい)

季節によって異ことなる位置

 七つの星がひしゃくの形を描(えが)く北(ほく)斗(と)七(しち)星(せい)は、見つけやすい星の並(なら)びです。

 北斗七星が分かると、そこから北(ほっ)極(きょく)星(せい)を探(さが)すこともできます。ひしゃくの水をくむ部分の端(はし)から1番目の星と2番目の星を線で結び、1番目の星の方にその長さを5倍ほど延(の)ばしていくと見つかります。北極星はいつも真北の空にあって動かない星です。

 3月中(ちゅう)旬(じゅん)の午後8時ごろ、北斗七星は北東の空、つまり北にある北極星の右側に見えます。ちょうど、水をくむ部分を上にして、壁(かべ)に立てかけたひしゃくのようです。

 その北斗七星は今だけではなく、ほぼ一年中見ることができます。ほかの季節でも、同じ午後8時ごろに探してみましょう。

 6月上旬(じょうじゅん)には北極星の上、北の空高くに、ひしゃくの口を下に向けて横たわっています。もっともその時季は午後8時でも空が薄(うす)明るいので、はっきり見ようと思えば、もう20~30分待った方がよいでしょう。

 8月下(げ)旬(じゅん)になると、北極星の左側、北西の空で、今度は水をくむ部分を下にして立てた格好(かっこう)になります。11月下旬だと、北極星の真下でひしゃくは上を向きますが、山陰(さんいん)地方からは、七つの星のうちいくつかは地平線の下にかくれて、見えなくなってしまいます。

 このように北斗七星の見え方で、季節の移(うつ)り変わりを感じ取ることができます。みなさんはいつの季節の北斗七星が好きでしょうか。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)