10月から窓口受付1時間短縮へ 茨城・つくば市

10月から業務時間が短縮される市役所の窓口=茨城県つくば市
10月から業務時間が短縮される市役所の窓口=茨城県つくば市

茨城県つくば市は10月から、市役所などの窓口の受付時間を朝夕で計1時間短縮する。同市によると、市役所窓口の受付時間を減らすのは県内初という。市民サービス提供における課題検討や改善、中長期的な市民サービスの利便性や品質向上が目的で、窓口業務の恒常的な時間外勤務の解消など、働き方改革につなげる狙いもある。

同市の窓口受付時間は現在、午前8時半から午後5時15分までだが、これを午前8時45分から午後4時半までに短縮する。

対象施設は、本庁舎とコミュニティ棟の全部署、全6カ所の各窓口センター、全17カ所の各地域交流センター、全3カ所の各保健センターの計28カ所。

同市人事課が、本庁舎1階の窓口にある受付番号の自動発券機の発券時間を調べたところ、来庁者の約85%が午前9時から午後4時までに訪れていた。事前に広報誌や窓口などで時間短縮を周知することで、短縮した時間帯でも大多数をカバーできるとしている。

併せて、マイナンバーカードを利用した住民票などのコンビニでの交付やマルチコピー機の利用、オンライン申請などを積極的にPRしていくという。

同市が受付時間の短縮に踏み切った背景には、窓口業務を担当する職員の重い負担がある。

五十嵐立青(たつお)市長は「(市民の申請を)受け付けてから業務が終わるまで約1時間かかることもある。現状は、残業を前提にした労働形態になっていて法的にも良くない。あまりに忙し過ぎ、(職員が)考える時間やミスを振り返る時間もない」と課題を指摘する。

時間短縮により、「より良いアイデアがあっても職員同士で話し合う時間もない現状が改善され、中長期的には市民サービスの向上にもつながる」(五十嵐市長)とみている。

同市が今回参考とした大津市では令和2年から時間短縮を実施しているが、これまでに同市民からの目立った苦情はみられないという。五十嵐市長は「職員も前向きにとらえており、時間短縮はこれから増えるのではないか」としている。(篠崎理)

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