台湾東部沖地震で9人死亡、負傷者900人超す 沖縄に一時津波警報

3日、台湾東部・花蓮で倒壊した建物(TVBSテレビ提供・AP=共同)
3日、台湾東部・花蓮で倒壊した建物(TVBSテレビ提供・AP=共同)

【台北=矢板明夫】台湾の気象当局によると3日午前7時58分(日本時間同8時58分)、台湾東部沖を震源とする地震が発生した。日本の気象庁は地震の規模をマグニチュード(M)7・7と推定。東部・花蓮県で9人が死亡し、負傷者は各地で計900人を超えた。気象庁によると沖縄県与那国島で震度4となり、津波を観測した。沖縄本島地域などでは一時、津波警報が出て住民が避難した。

台湾の当局はM7・2と発表。台湾の中央通信社によると、地震の規模では2千人以上の死者を出した1999年9月の台湾中部大地震(M7・3)に次ぐという。

台湾北部の台北市、中部の台中市、南部の高雄市でも揺れが観測された。地震後、台湾の広い範囲で停電や断水があったほか、鉄道の運休も相次いだ。

台湾の中央気象局は地震後、津波への警戒を呼び掛けたが、正午過ぎに警報を解除した。

一方、関係当局はすべての原発の安全が確保されていると発表した。

花蓮県では震度6強を記録。地元テレビによると建物が傾くなどの被害が出た。一時、住民が閉じ込められ、警察や消防などが救助活動にあたった。震源地に近い東部では山岳地帯が多く、交通や連絡が寸断され、被害状況が判明していない地域もあるもようだ。

死亡が確認された9人のうち4人は登山客だった。落石などにより死亡したという。

台湾の次期総統、頼清徳副総統は花蓮県に空路で入り、救助活動を優先する方針を示した。

沖縄県与那国島と宮古島で最大30センチ、石垣島で20センチの津波を観測した。

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