抜群の歌唱力に加え、親しみやすさもアップした田川。新境地を開く新曲「恋はひといろ」のヒットを誓う=東京・虎ノ門(撮影・高橋朋彦)
ギャラリーページで見る 4月でデビュー28年目に突入する演歌歌手、田川寿美(43)が16日に新曲「恋はひといろ」を発売する。幅広い音域を武器に歌唱力で勝負してきた彼女が、一昨年の「心化粧」、昨年の「春よ来い」で誰もが歌いやすい曲調にガラリと変えて新境地を開拓。今回も真骨頂のファルセット(裏声)を封印して親しみやすさを前面に押し出した。3作品をホップ→ステップ→ジャンプと位置づけて大ヒットをめざし、「聴く方の心に寄り添える歌い手になりたい」と燃えている。
聴かせる曲から歌える曲へ-。通算34枚目となるシングル「恋はひといろ」について田川は「歌い手としては、作品を磨くために歌い込んでしまい、曲そのものが難しくなってしまう。今回そこは我慢して、みんなが口ずさんでくれるように歌いました」と明かす。
1992年、変幻自在に音域を操れる歌声を武器に「女…ひとり旅」でデビュー。いきなり40万枚を売り上げて注目を浴び、NHK紅白歌合戦には94年を皮切りに4度出場。98年に「哀愁港」が50万枚のヒットとなり、2010年にも「北の港駅」が10万枚を記録。四半世紀にわたり、抜群の歌唱力で耳の肥えた演歌ファンを魅了してきた。
だが、2年前に発売した「心化粧」で目からうろこの出来事が。ファンから「今までの曲と違って親しみやすくて歌いやすい」という声が次々と寄せられた。サビでも声を張らないフラットな曲調で、カラオケ愛好者の間でも人気を博し、新たなファン層をつかんだ。「私の楽曲に対する間口が広がった」と田川。