気温
近年の異常気象の影響とヒートアイランド現象によって、日本各地で歴史的な猛暑を記録している。「真夏は沖縄に避暑へ」というのもうなずける。沖縄の夏は、太陽の日差しはキツイが、海風が吹き込み35℃を超える猛暑日になることは少ない。一方冬は、平均気温が15℃を下回ることはないが、北からの風が強く吹き込み、体感温度は意外と低く感じる。
年間平均気温
那覇、東京、札幌の年間の平均気温を比較した。沖縄では年間の気温差が大きくないため夏が長く、春、秋といった四季を感じる期間が短い。3月から気温の上昇に伴い海水温も上がるが、本格的な海水浴は5月から。10月いっぱいまでは海遊びが楽しめる。
那覇と各地の年間平均気温
湿度
沖縄は海に囲まれているため、年間を通して湿度は高く、特に5月中旬から梅雨に入ると、連日80%を超える湿度になる。6月の平均湿度は83%にもなる。気温、湿度が落ちる10月頃は沖縄では最も過ごしやすいシーズンといえる。
那覇と各地の年間湿度
日照時間
沖縄は常に太陽の光がさんさんと降り注ぎ、年中青い空が広がっているイメージだが、実のところ年間の日照時間は少ない。12月ごろから2月、3月までは曇り空、雨の日が多くなる。夏でも海洋性気候のため、天候が変わりやすく、1日のうちでも晴天、曇天、雨天となりやすいのが特徴。
年間日照時間
気象庁のデータによると、日照時間の全国平均は1897時間なのに対して、沖縄県(那覇市)は1774時間と全国35位。ちなみに全国1位の山梨県は2187時間。沖縄の天候は海に囲まれ高い山がないため、湿った空気がそのまま入り込み、温かい海水によって雨雲が発達しやすい。そのために晴天の日でも突然の雨に見舞われることもある。ただ、季節での変動は大きく、夏場の7~9月の3カ月平均は214時間/月と、まさに沖縄の夏を感じることができる。一方、冬場の12~2月の3カ月平均は99時間/月と短く、小春日和といったカラッとした晴天になることはあまりない。
年間晴れ日数
晴天と快晴の合計日数をまとめると、全国平均では365日のうち217日が「晴れ」。沖縄はほぼ平均の211日だが、全国35位という意外な結果。沖縄は海に囲まれているため、雲の発生も多く年間降水量は2000ミリを超える。そのためイメージとは違い、常に快晴というわけではない。ちなみに1位となった香川県をはじめ、四国4県は年間晴れ日数の上位を占める。また、快晴日数だけでみると、沖縄は全国最低の8.9日(全国平均は28.4日)。晴れていると思ったらスコールが降る沖縄特有の天候の影響だろう。
紫外線
沖縄の日差しの強さは半端ない。肌に突き刺すようで痛いと感じるほど。うっかり海辺で水着のまま寝てしまったら、重度の日焼けになりかねない。沖縄の紫外線は1年を通してきつく、3月、4月、10月の紫外線指数は札幌の夏と変わらない。沖縄の観光では、ほぼ1年を通して、日焼け対策を万全にすることが大切だ。
降水量
梅雨の間の5月6月と、台風シーズンの8月9月は1年の中で降水量が多い月である。年間では2000ミリを超え、全国で8位(1位は高知県の2547ミリ。全国平均が1610ミリ)。やはり一般的にイメージする沖縄の気候とは異なる。冬場でも100ミリを超え、すっきりしない天気の日が多いのだ。
年間降雨量
亜熱帯気候の沖縄は、温暖な気候ではあるが、降水量は全国的にみても多く、特に梅雨時の降水量は、東京の梅雨時と比べても格段に多い。梅雨明けした6月下旬から7月は、晴天が続き、沖縄の夏到来となる。近年、問題化している「ゲリラ豪雨」とは違うが、沖縄でも突然の雨に見舞われることがある。しかし、すぐに降り止むことも多いので、「沖縄の人は雨が降っても傘をささない」と言われるゆえんがそこにある。
梅雨
|
梅雨入り |
梅雨明け |
沖縄 |
5月9日ごろ |
6月23日ごろ |
九州北部 |
6月5日ごろ |
7月19日ごろ |
四国 |
6月5日ごろ |
7月18日ごろ |
中国 |
6月7日ごろ |
7月21日ごろ |
近畿 |
6月7日ごろ |
7月21日ごろ |
東海 |
6月8日ごろ |
7月21日ごろ |
関東甲信越 |
6月8日ごろ |
7月21日ごろ |
北陸 |
6月12日ごろ |
7月25日ごろ |
東北北部 |
6月14日ごろ |
7月28日ごろ |
* 出典:気象庁
沖縄の梅雨は、日本各地の梅雨入りより約1カ月早い。ゴールデンウイークを過ぎると早くも梅雨。梅雨明けは平年6月下旬。沖縄の梅雨は長雨にならず、真夏のような太陽が顔を出すことも多い。1日の中でも雨がシトシトと降り続くというわけではなく、降ったり、やんだり、晴れたりと天気は変わりやすい。ただ、梅雨の期間は湿度が80%を超え、ジメジメした暑さを感じる。このシーズンの沖縄観光では、肌触りのいい服装を用意しておくとよい。
台風
沖縄といえば台風。というぐらい年間の台風接近数は多い。南の海上で発生した台風は日本の中でも沖縄をめがけて進むものが多く、海水温の高い沖縄へは勢力を保ったまま、もしくは発達して接近してくるため、被害も大きくなる。沖縄への旅の影響は空の便だけではなく、船の欠航などもあるので、早めの情報収集を心がけたい。
台風接近数
年間で発生する台風は25個、26個と言われており、そのうちの7個、8個は沖縄に接近する。最も多いのは8月だが、5月ごろから台風が発生し、9月、場合によっては10月まで月に2個、3個は接近する。沖縄のなかでも本島より宮古島や八重山諸島のほうが、台風の進路にあたりやすく、被害も大きくなる傾向にある。沖縄滞在中に台風に遭遇した場合は、宿泊先から出ないようにすること。台風が通過したあとは、吹き返しの風が強く、外出時には十分気をつける必要がある。また、海況が落ち着くまでに数日かかるため、船の離島便など欠航が長引くこともある。
台風のコース
台風の進路は発生する時期によって変わる。7月、8月に発生する台風は沖縄を直撃するケースが多く、被害も大きくなりがち。風速も40メートルを超える強風となるので、高波にも注意が必要だ。くれぐれも外出は控え、海に近付かないようにしよう。また、勢力が衰えず通過していくことが多いため、進路によっては通過後のほうが吹き返しの風が強くなるケースもある。