戦地で重傷のウクライナ人男性、千葉大病院が受け入れ 駐日大使が面会

2022年6月6日 21時36分
アントン・コルニシュクさん(左)と面会するセルギー・コルスンスキー大使=6日、千葉市中央区の千葉大病院で(代表撮影)

アントン・コルニシュクさん(左)と面会するセルギー・コルスンスキー大使=6日、千葉市中央区の千葉大病院で(代表撮影)

 ロシア軍の侵攻で重傷を負ったウクライナ人男性が千葉大病院(千葉市中央区)で治療を受けており、ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使が6日、見舞いに訪れた。大使によると、侵攻による負傷者の受け入れは国内の病院で初めて。(山口登史)
 男性は、ウクライナ西部リビウ国立大に通う社会人学生のアントン・コルニシュクさん(37)。3月25日、首都キーウ(キエフ)近郊のイルピンで住民の避難を手伝っていたところ、砲撃に巻き込まれ重傷を負った。
 コルニシュクさんはキーウ市内で入院中、「今後の治療は日本で行いたい」と大学の指導教員に打診。この教員の友人が千葉大病院の医師と親交があったことから受け入れが決まった。5月21日にポーランド経由で成田空港に到着し、同病院へ搬送された。

◆千葉大病院「他の医療機関と経験共有したい」

 コルニシュクさんは右脚の骨折と左脚のアキレスけん損傷などと診断され、今後2カ月程度入院し、治療とリハビリを進める。大学では日本語を学び、日本はあこがれの国でもあったが、「戦争のことしか考えられない。ほかのことは何も思いません」とため息をついた。
 コルスンスキー大使は、日本国内での負傷者の受け入れについて「大変なけがをしたウクライナ人に治療を受けさせることができればと思う」と語った。同病院の横手幸太郎院長は「われわれの医療が役に立つのは大変うれしい。他の医療機関と今回の経験を共有したい」と話した。

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