民主主義国家は減少 拡大する専制主義国家 ロシアや中国...影響力、無視できず

2022年6月15日 06時00分
<民主主義のあした>
 世界各国の民主主義の度合いを評価する米国の人権監視団体「フリーダムハウス」がまとめた2022年の年次報告書によると、民主主義国家の数は05年の89カ国をピークに減少傾向になり、21年には83カ国になった。
 一方、参政権や報道の自由などに制限を加えている専制主義国家は、05年には45カ国だったが、21年には56カ国にまで拡大した。
 フリーダムハウスの報告書を分析した第一生命経済研究所の石附賢実いしづきますみ・マクロ環境調査グループ長によると、専制主義国家の国内総生産(GDP)は1990年には世界の6.2%にとどまっていたが、2021年には26.4%となった。「影響力は無視し得ない規模にまで広がっている」と指摘する。
 バイデン米大統領は昨年12月に開いた「民主主義サミット」で、中国やロシアへの警戒を表明。日本を含む参加国に「民主主義の再生、強化には不断の努力が必要だ」と結束を呼び掛けた。フリーダムハウスは中国とロシアを専制主義国家と位置付けている。
 ただ、日本国内でも民主主義が軽んじられたり、ゆがめられたりする問題が後を絶たない。森友学園問題では政府による公文書改ざんが発覚。加計学園や「桜を見る会」などを巡る問題は「政治の私物化」と批判された。(市川千晴、柚木まり)

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