ロシア砲撃で重傷のコルニシェクさんが千葉大病院を退院 日本語で「快適だった」と感謝

2022年8月28日 07時41分

質疑に応えるアントン・コルニシュクさん=千葉市中央区の千葉大病院で

 ロシア軍の砲撃で両足に重傷を負い、5月下旬から千葉大病院で治療を受けていたウクライナ人のアントン・コルニシュクさん(38)が26日、約3カ月の入院生活を終え退院した。今後は、病院近くのアパートに住んでリハビリを続ける。年内の帰国が目標だが、滞在中は日本語の勉強や避難民支援など、やりたいことが盛りだくさんだ。
 アントンさんは自分で準備したあいさつ文を手に、りゅうちょうな日本語で語り始めた。慣れない国での入院生活を「快適」だったと笑顔で話し、関係者への感謝をときに名前を挙げながら伝えていった。

アントンさんが病院に寄せた手書きの日本語の手紙

 一方、長引く戦況に関しては「闘いをやめることはできない」とし、ウクライナ語で勝利への思いを力強く語った。今後は、ウクライナの現状を客観的に伝える活動もしたいと意気込む。
 担当医の松浦佑介さんによると、右脚に骨折と皮膚の欠損、左脚にアキレスけんの欠損があった。骨折は皮膚の上から金属などで骨を固定する方法で治療。左アキレス腱の欠損は、太ももの筋肉を用いた再建手術を施した。アントンさんが日本語を学んでいることから、入院中の会話はすべて日本語で行ったという。
 横手幸太郎院長は今回の受け入れを「ウクライナとの交流につながる有意義な機会。一人の青年の回復の道筋に医療として貢献できてよかった」と話した。(蓮村瑞希)

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