2022年の都内の企業倒産数1151件 前年比2.2%増は国の支援策縮小が影響?<深掘りこの数字>

2023年2月5日 06時00分
 2022年の都内の企業倒産が前年比2.2%増の1151件だったことが東京商工リサーチの調査で明らかになった。21年の1126件に次ぐ過去2番目の低さだが、前年からは上昇。上昇の背景には、コロナ禍の企業倒産を抑えた国の支援策の縮小や、コロナ前の水準に業績が戻らないといった影響がうかがえる。(畑間香織)

◆飲食業やアパレル業目立つ コロナ支援縮小影響か

 産業別では、飲食業や旅行業、介護福祉業を含むサービス業が前年比10.5%増の410件と最多。卸売業の208件と建設業の125件が続く。負債総額は前年比20.6%減の3215億4200万円。
 コロナを原因とする倒産は450件と全体の約4割を占め、業種別では飲食業やアパレル業が目立った。東京商工リサーチ情報部の二木章吉さんは「コロナ禍の行動制限が解除されても需要が回復せずに倒産する場合が多い」と指摘する。
 22年9月以降は、倒産件数が月90〜118件と高水準で推移。二木さんによると、この間はコロナ禍で売り上げが減った企業を支えた政府の実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済めどがたたないことを倒産理由に挙げる企業が増えた。今夏は返済開始がピークを迎えるとし、「資源高も加わり倒産が増える」とみる。
 人手不足を倒産理由に挙げた企業は前年同数の88件で、この理由を聞き始めた13年から過去最多。うち75件は、代表者の死亡や引退といった後継者難が占める。従業員の退職と求人難も前年より7件増の計13件となった。二木さんは「経済活動が再開しても、人手を確保できず倒産するケースが今年も増えそう」と話す。

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