<秩父点描>巧みな手さばき 観客魅了 「横瀬の人形芝居」、4年ぶり定期公演

2023年5月16日 07時41分

観客を魅了した横瀬の人形芝居定期公演=横瀬町で

 人形1体を1人で操る「横瀬の人形芝居」(埼玉県指定無形民俗文化財)の4年ぶりとなる定期公演が14日、横瀬町町民会館ホールであり、巧みな手さばきで観客を魅了した。
 江戸後期の安政年間に始まったとされ、場面転換の際に舞台が回転する「回り舞台」を備えているのが特徴。舞台も昨年3月に県有形民俗文化財に指定された。
 この日の演目は、親子の情愛を描いた「小栗判官実道記 親子対面矢取の段」と、安倍晴明と母の別れの物語「芦屋道満大内鑑 狐葛(きつねくず)の葉子別れの段」。幕が開き人形が動き始めると、会場は物語の世界に包まれ訪れた人たちは熱心に観賞していた。
 人形芝居保存会の若林新一郎会長(81)は「新型コロナウイルスの影響で、定期公演や稽古も中断を余儀なくされたが、メンバー一人一人がさらに技術を習得できるよう活動していきたい」と今後を見据えた。(久間木聡)

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