ロシア語学習者、半減 国際地位低下

2020年1月29日 02時00分
 【モスクワ=小柳悠志】東西冷戦が終結した一九九〇年代初頭と比べて、外国語としてロシア語を学ぶ人が世界で半減したとの分析結果をロシア教育科学省がまとめた。旧ソ連崩壊によりロシア語の国際的地位が下がったのが原因で、話者数の動向にも地政学的な変化が反映されている。大手紙RBKが報じた。
 各国の学校や大学でのロシア語の学習状況を調査した。九〇年初頭は七千五百万人だったが、二〇一八年は三千八百万人に。特に旧ソ連以外の国では二千万人から百万人強まで落ち込んだ。
 逆に西側陣営だった北米やオセアニアでは、共産主義への警戒が薄れたためか、学習者が五割ほど増えた。ロシアが外交で関与を深める中近東やアフリカでも微増している。
 学習とは別に、ロシア語話者の分析では東欧が九〇年の三千八百万人から近年では八百万人まで減少。ロシアを除く旧ソ連圏では一億二千万人が八千三百万人にまで落ち込んだ。一方、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのロシア語話者は百二十万人から四百万人に増加した。
 ロシア語は国連の公用語の一つ。プーチン大統領は二〇〇四年、「旧ソ連圏には誰もが話すロシア語が存在する」などと発言し、ロシア語を通じて旧ソ連圏の関係再構築に意欲を示していた。

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