「主張すべきは主張」 駐中国大使が着任会見

2020年12月11日 20時38分

11日、北京の日本大使館で記者会見する垂秀夫駐中国大使=共同

【北京=坪井千隼】駐中国大使に就任したたるみ秀夫氏(59)が11日、北京の日本大使館で着任後初の記者会見を行った。垂氏は日中関係について「主張すべきは主張し、是々非々で安定的、建設的な関係を構築したい」と述べ、沖縄・尖閣諸島周辺海域への中国公船侵入問題や、香港国家安全維持法(国安法)を巡る問題などを念頭に、日本側の立場を伝えつつ安定した関係を築く意欲を示した。
 垂氏は、香港やウイグルなどの人権問題も踏まえ「中国が国際的スタンダードで動いていないと思われる場面もある」と指摘。一方で「ハイレベルで意思疎通ができる関係を構築しなければ、メッセージが届かない」と述べ、日中関係を強化する重要性を強調した。
 力を入れる取り組みとして、邦人保護や日本企業支援を挙げた。新型コロナウイルスの感染拡大で延期となっている習近平国家主席の訪日については「具体的な日程調整の段階ではない」と述べた。中国の環太平洋連携協定(TPP)参加については「中国に(参加条件を満たす)用意があるのか見極めたい」とした。
 垂氏は外務省のチャイナスクール(中国語研修組)出身。中国勤務が長く、台湾でも勤務した。11月26日に北京入り後、今月9日に新型コロナ対策として中国側が求めた2週間の隔離生活を終えた。

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