- 名所浮世絵
- 名所絵とは
うたがわさだひで さく「さがみのくにおおずみぐんおおやまでらあふりじんじゃしんけい」 歌川貞秀 作「相模國大隅郡大山寺雨降神社真景」 /ホームメイト
本名所浮世絵は、相模国(現在の神奈川県)伊勢原にある「大山」の全景と共に、「大山寺」や「雨降神社」(あふりじんじゃ:現在は、大山寺と合わせて大山阿夫利神社となる)をはじめ、山中の名所や諸施設を東南側から描いた眺望絵です。
また、大山の周辺には富士山や江ノ島、伊豆半島など大山から見える地名が注記され、一種の観光案内図としての役割も果たしました。なお、本絵図の右奥にある富士山及び左奥にある相模湾と江ノ島は、北東側からの構図で描かれています。
本名所浮世絵は、1858年(安政5年)に、作者「五雲亭貞秀(歌川貞秀)」(ごうんていさだひで)によって描かれたもの。五雲亭貞秀は、もともと「美人画」や「武者絵」を得意とした人気浮世絵師でしたが、地理に強い関心を抱き、遠近法を用いた鳥瞰図的な名所一覧図を多く残しました。