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大手門礎石(2石)

最終更新日:2020年11月04日

指 定:令和2年3月27日 町指定重要文化財                                                    所在地:甘楽町大字小幡854-2                                                 見 学:常時可

 大手門礎石(2石)2

 甘楽町の南部に所在する城下町小幡は、陣屋と武家屋敷等から成る陣屋内と、陣屋内の北に延びる町屋地区で構成された。この陣屋内と町屋地区の境界は大手門によって区切られていた。大手門は小幡藩4代藩主織田信久公治世の寛文6年(1666)2月に現在の甘楽町歴史民俗資料館近辺に建立された。壮大な四脚門といわれているが、大きさなどの規模は不明である。現在も大手門の礎石と呼ばれている2石が残る。この礎石2石は織田氏時代のものか松平氏時代のものかは不詳である。

 織田氏のあとに松平氏が小幡藩に入封した。松平氏は織田氏の格式をおもんぱかってか規模を縮小している。おそらく織田氏の大手門を解体し、礎石は大きいのでそのままか、土を被せ埋めたのではないか。そして、織田氏礎石間の内側に新礎石を設置し、幅三間の門を建立したものと考えられる。同じ場所に新規の門を建てることはできる。よって、現存する礎石は織田氏時代の産物と考察できうる。

 礎石は当地で産出される牛伏砂岩で作られ、雄川堰側(東側)に置かれていた礎石は、最長約114cm、最大幅約76cm、高さ約43cmを測る。礎石の表面になる範囲は約84×74cmで滑らかに仕上げられている。表面上には円形と長方形状のホゾ穴があけられている。円形は直径約12cm、深さ約3.3cm、鉄粉と思われる付着痕跡が見られる。長方形状は約15.7×12cm、深さ約5.8cm。礎石重量は約977kg。

 もう1石(西側)は、最長約100cm、最大幅約75cm、高さ約42cmを測る。礎石の表面になる範囲は約87×73cmで滑らかに仕上げられている。表面上には楕円形状と長方形状のホゾ穴があけられている。楕円形状は径約14.5~16cm、深さ約4.5cm。長方形状は約15.7×12.3cm、深さ約6.7cm。礎石重量は約592kg。重量が軽いのは礎石下部を制作時に打ち欠いているからである。

 織田氏時代と考察される礎石は、城下町小幡の歴史的史料として現存する希少な遺物である。また、旧小幡藩の動向や情勢等をうかがい知る一助となり、貴重かつ重要な遺産である。

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