フランス側ピレネー山脈はここが美しい!ゴーブ湖は雲上の楽園

フランス側ピレネー山脈はここが美しい!ゴーブ湖は雲上の楽園

更新日:2019/08/11 17:45

菊池 模糊のプロフィール写真 菊池 模糊 旅ライター、旅ブロガー、写真家
最近注目を集めているピレネー山脈のハイキング。その入門ルートとして誰にでもおすすめできるのがゴーブ湖散策です。その絵のような美しさの湖畔の景色に加えて夏季は高山植物が咲き乱れ高山蝶が飛び回る雲上の楽園です。ロープウェイやリフト利用から徒歩ルートまで体力に応じて各種のコースが可能。聖地ルルドや山岳リゾートのコトレから日帰りで十分アクセスできますので、ぜひ行ってみてください。

ゴーブ湖への道はスペクタクル!

ゴーブ湖への道はスペクタクル!

写真:菊池 模糊

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ゴーブ湖手前の1400m地点の谷にポンデエスパーニャ大駐車場があり、ここからハイキングルートやロープウェイ&リフト利用が整備されています。注意点は必ず駐車場でトイレを済ませておくこと。ゴミも持ち帰り、天空の楽園を汚さないようにしましょう。

ゴーブ湖まで標高差325mですので、体力に自信のある方はここから迷わず自分の足で登るべき。一般的にはロープウェイとリフトを利用し、体力を温存してゴ―ブ湖周辺の散策に精力と時間をかけることをおすすめします。ただし、スペイン橋(ポンデエスパーニャ)は徒歩ルートにありますので、少なくとも下りはロープウェイを利用せず徒歩で頑張って下山してください。

写真の駐車場建物の横にはルート説明の看板がありますので必ずご覧ください。ロープウェイ(テレキャビン5分)、リフト(12分)、徒歩ルートの位置関係を頭に入れて自分なりのハイキングを楽しみましょう。

ゴーブ湖への道はスペクタクル!

写真:菊池 模糊

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リフトを利用するととてもスペクタクル。高度感があり大自然の空中遊歩のようで、素晴らしい景色を肌で感じて楽しめます。美しい森林に岩肌が見える山々、眼下にカケスなどの野鳥が飛び交います。

ゴーブ湖への道はスペクタクル!

写真:菊池 模糊

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徒歩で往復する方は軽登山靴が良いですが、片道ロープウェイ&往復リフト利用ならスニーカーで十分。リフトを降りるとご覧のような平坦で安全な道がゴ―ブ湖へと続いており、周囲に高山植物がたくさん咲いているので、つい撮影に夢中になって前に進めません。急いで歩けば15分の道ですがそれはもったいない。せっかくなので30分くらいかけて、ゆっくり楽しみましょう。

ゴーブ湖の絶景は感動的だ!

ゴーブ湖の絶景は感動的だ!

写真:菊池 模糊

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ついに見えてきました、ゴーブ湖です! 手前に高山植物が咲き乱れ、その向こうに青い湖が広がっています。

ゴーブ湖は、標高1725m、深さ40mの氷河湖。日本でいえば大峰山の稲村ヶ岳山頂と同じ高さで、信州なら高度的には蓼科高原・乗鞍高原といったところ。上高地(1500m)より少し高い場所になります。しかし成り立ちは違い、ここはまさに氷河が削ったあとにできた圏谷(カール)の景観なのです。

なお、ゴーブ湖という名前は、ガスコーニュ方言で湖を意味するゴーブという言葉からきています。フランスのピレネー国立公園の一角です。

ゴーブ湖の絶景は感動的だ!

写真:菊池 模糊

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なんとも例えようのない絵のような美しさ。ほれぼれと見とれてしまいます。優美さと雄大さを兼ね備え、奥にはヴィニュマール山塊がそびえています。ピレネーで最も美しい場所と呼ばれるのもうなずける景色です。

ゴーブ湖の絶景は感動的だ!

写真:菊池 模糊

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倒木や高山植物を手前に配して、湖を背景に写真を撮ってみましょう。また、湖畔の岩洞に小さなマリア様の像がありますので、探してみてください。

ここまでは、初級ハイキングで行けるので誰にでもおすすめできる景勝地です。健脚の方や時間に余裕のある方は、ゴーブ湖の周囲を歩き、避難小屋がある所や奥の滝が見える場所まで行ってみましょう。

山岳写真を撮ろう!

山岳写真を撮ろう!

写真:菊池 模糊

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ワイドなゴ―ブ湖の景観も良いですが、望遠レンズを使ってここならではの山岳写真を撮ってみましょう。コーブ湖の奥正面には、ヴィニュマール山塊が見えます。ただし、ただし、フランス側ピレネー山脈の最高峰である主峰「グラン・ヴィニュマール」が見えません。

山岳写真を撮ろう!

写真:菊池 模糊

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せっかくここまで来たのですから、フランス側ピレネー山脈の最高峰を撮影してみたいものです。そこで、ゴーブ湖の奥に向かって左側の斜面を少し登ってください。そうすると端に見えてきます、グラン・ヴィニュマール! Grand Vignemale(3,298m)右側の尖った峰です。その主峰の左側の小さい三角形のピークがピトン・カール Piton carre、一番左側の台形の量感ある山がプワント・ショサンク Pointe Chausenque(3,204m)です。

山岳写真を撮ろう!

写真:菊池 模糊

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主峰のアップも撮影しましょう。これぞフレンチ・ピレネーの盟主グラン・ヴィニュマールで別名を Pique longue と言います。すごい山で、北壁がズバッと切り落ちています。なんと高度差800mの岩壁で迫力満点。この氷壁を登る人がいるそうですから、これまたすごいことです。

ここは高山植物の宝庫だ!

ここは高山植物の宝庫だ!

写真:菊池 模糊

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山岳写真を撮ったら今度は視線を下に向け、高山植物を撮影しましょう。ここは高山植物の宝庫で、野生のお花畑が広がっています。厳密には日本の高山植物と学名は異なりますが、よく似たものが多いので親しみが持てるピレネーの花々です。写真は、湖畔の水辺に群生するリュウキンカで黄色い姿が印象的です。同じような湿地にはムシトリスミレやハクサンチドリ類、サクラソウ類、イワタバコ類などが咲いています。

ここは高山植物の宝庫だ!

写真:菊池 模糊

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写真は岩場に生えるイブキジャコウソウ。日本でも高い山で見られるポピュラーな花。亜種関係にあるとはいえ、東の果ての島国日本とユーラシア大陸の西の果てのピレネーで同じ高山植物が見られるというのは実に不思議です。もちろん、日本で見られない花や、ピレネー特産の高山植物もあり、ヒメルリカンザシなどグロブラリア科の花がその代表です。そうした珍しい種類を見つけるのも楽しみです。

他に岩場的な場所では、フウロソウ類、オダマキ類、マンテマ類、ナデシコ類、クリスマスローズ類、アルペンローゼなどツツジ科の花々、ユキノシタ類、ベンケイソウ科の花などが見られます。

ここは高山植物の宝庫だ!

写真:菊池 模糊

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草原には、マツウシソウ、アザミ類、ハクサンボウフウに近いセリ科の花類、ミヤマアズマギクなどキク類、イワオウギのようなマメ科の花々、ユリ科の花々、トウダイグサ科の変化にとんだ花類など各種の花が咲き乱れています。

写真はマツムシソウで吸蜜するキベリタテハ。山に生息する蝶類も日本と似ており氷期にはユーラシア全体が共通の世界として繋がっていたことを示しています。今は取り残された山々に点々と分布する高山植物と高山蝶の組み合わせも綺麗で素敵ですので、ぜひ蝶の写真撮影にもチャレンジしてみてください。

スペイン橋と滝の雄姿を楽しむ!

スペイン橋と滝の雄姿を楽しむ!

写真:菊池 模糊

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ポン・デ・エスパーニャ(スペイン橋)と滝は見逃せない場所ですので、少なくとも下りは見学しましょう。ここはフランスからスペインへ抜ける国境ルートのひとつで、スペイン橋と名付けられ、昔はスペインとの交易に使われたそうです。

滝からのしぶきが舞う橋の上手は、写真のように虹がかかることが多く絶好のフォトスポットとなります。

スペイン橋と滝の雄姿を楽しむ!

写真:菊池 模糊

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滝の付近は特に花が多く、写真のスズランのように小さな花から大きな花木まで咲いていますので、ぜひ忘れずに撮影してみてください。

スペイン橋と滝の雄姿を楽しむ!

写真:菊池 模糊

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スペイン橋の直下は、川幅が狭く、ごうごうと滝のように水が流れ落ちて怖いくらいです。常に濡れており滑りやすいので足元に注意しましょう。ここから5分ほど下れば、出発点の駐車場に戻ります。

ゴ―ブ湖の基本情報

住所:Lac de Gaube,Cauterets Hautes-Pyrenees,France
アクセス:フランス各地から鉄道でルルドへ
ルルドからコトレまでバスで約55分、コトレからポンデエスパーニャ駐車場までバスまたはタクシーで約40分
フランス各地からレンタカーでも可

2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/06/14 訪問

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