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ピルで生理不順は改善できる?生理不順が起こる原因と治療方法を解説





※本記事に関するお問い合わせはこちらのページよりお願いいたします。


日常生活のストレスや生活リズムの乱れによってホルモンバランスが崩れ、生理が規則的にこないと悩む女性は少なくありません。

生理不順を放置すると女性器のトラブルや卵巣機能の低下、子宮体がんなど、あらゆる病気のリスクが高まります。また回復が遅れると、将来妊娠しにくい体になるリスクもあります。

ホルモンバランスの乱れによる生理不順は、低用量ピルを服用することで改善が期待できます。ここからは、低用量ピルによる生理不順改善のメカニズムについて詳しく解説します。

生理不順に悩む人はもちろん、自分が生理不順なのか判断できないという人も、ぜひ参考にしてください。

生理不順の症状と生理不順が起こる原因について解説





正常な生理周囲より短い間隔、または長い間隔で生理が起こること、つまり規則正しい生理がこないことを「生理不順」といいます。

一般的な生理周期は25日~38日で、7日程度で終わります。生理周期は毎回同じとは限らず、前後6日以内のズレであれば問題ありません。

また、初潮から数年間はホルモンバランスが安定しないため、10代の生理不順は様子を見ることでも問題ありません。20代以降で生理不順が続く場合は、体に異変を起こしている可能性もあるため、医療機関を受診しましょう。

【頻発月経】

生理周期が24日以内より短い場合を頻発月経といいます。月に2回生理が起こることや、通常より出血期間が長いケースもあります。

頻発月経には無排卵性のものと排卵性のものがあります。無排卵性の場合は少量の出血が長く続くことが多く、ホルモンバランスが安定していない思春期や卵巣機能が低下する更年期前の女性に多く見られます。

排卵性の場合は卵胞期が短いほか、黄体機能不全などの病気が潜んでいることも考えられます。卵胞期が短くなる頻発月経は、治療の必要がない場合がほとんどで、思春期や閉経前に多く見られます。

一方、黄体期が短くなる頻発月経は、妊娠を維持するために欠かせない黄体ホルモンの分泌量が少なくなり、不妊や流産の要因となるため、治療する必要があります。性成熟期にあたる20代以降~40代半ばで、頻発月経が起こる場合は婦人科を受診しましょう。

【稀発月経】

生理周期が39日以上に延長する場合を稀発月経といいます。基礎体温が2相性なら排卵しているため、特に治療を必要としません。

20~30代の稀発月経の多くは排卵性ですが、思春期や更年期前からは無排卵のことが多いです。原因として考えられるのは、多嚢胞性卵巣や甲状腺機能障害、高プロラクチン血症、精神的ストレス、過度なダイエットによる体重減少などが挙げられます。

40日以上生理がこない場合は婦人科を受診しましょう。3ヶ月以上生理がこない場合は無月経と診断され、ホルモンバランスの乱れや何らかの病気が疑われます。

参考サイト : 女性の病気について

生理不順が起こる原因





生理不順が起こる原因として、ストレスやホルモンバランスの乱れ、激しい運動や過度なダイエット、不規則な生活、病気による影響などが考えられます。

  • 生理不順が起こる原因

  • 過度なストレス

  • ホルモンバランスの異常

  • 激しい運動

  • 過度なダイエット

  • 不規則な生活

  • 子宮や卵巣、甲状腺などの病気


激しい運動や過度なダイエットは、心身ともに負担がかかるため、ストレスになることも。

強いストレスを感じると「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン」が分泌されます。
このホルモンは、体内の2種類の女性ホルモン「卵胞ホルモン」「黄体ホルモン」の働きを抑制する作用があり、生理不順が起こる原因となります。

その他に、卵巣や子宮、甲状腺の病気の影響で生理不順を引き起こすことも考えられます。

生理不順を放置するとどうなる?



生理不順や無月経を長期間放置すると、卵巣機能不全になり将来妊娠しにくくなる可能性があります。

また、がんを発症するリスクや、骨粗鬆症を発症することで骨折するリスクも高まります。

ホルモン異常など婦人科の病気が原因で生理がこない場合もあるため、気になる症状があれば婦人科を受診して下さい。

生理不順でクリニックを受診する目安



正常な生理周期から少しズレた程度なら、婦人科を受診するタイミングを逃してしまう人もいるでしょう。妊娠を希望しているなど、きっかけがなければ放置してしまいがちです。

生理不順で婦人科を受診するべき目安は以下のとおりです。

  • 1ヶ月に2回以上生理がくる

  • 3ヶ月以上経っても生理がこない

  • 正常な生理周期からズレていて妊娠を希望している


長期間にわたる無月経は回復が難しくなります。3ヶ月以上経っても生理がこない場合は、婦人科を受診しましょう。

初潮から3年未満の場合は、ホルモンバランスが不安定なため、生理が遅れることはありますが、放置せず早めに医師に相談してください。

性行為のあとに生理がこない場合は、妊娠の可能性があります。その場合は、生理予定日の1週間後を目安に婦人科を受診しましょう。

生理不順で生理予定日がわからない場合は、最後の性行為から3週間以上経過した頃に受診してください。

生理不順の治療法と費用





生理不順で婦人科を受診すると、問診や血液検査、超音波検査などで女性ホルモンの値や卵巣機能について検査します。

生理不順の原因が特定できれば、それに応じて治療をはじめます。

【女性ホルモンや卵巣機能に異常がない場合】

女性ホルモンの値や卵巣機能に異常がない場合は、生活習慣の改善(食事・睡眠・運動など)や漢方薬を処方することで、ホルモンバランスの乱れを改善します。

【無排卵月経の場合】

無排卵月経の場合で妊娠を希望している場合は、排卵誘発剤を用いて治療します。

妊娠を希望しない場合は、低用量ピルや漢方薬の処方で経過観察します。低用量ピルによる生理不順の治療については、「低用量ピルで生理不順を改善する」で詳しく解説しています。

【生理不順の治療にかかる費用】

生理不順で婦人科を受診した場合、初診料や検査料、薬代を含めて保険診療の3割負担で10,000円程度となります。

ピルの種類と特徴・効果





ピルは配合されるホルモンの量によって、4種類に分けられます。それぞれの特徴と効果について詳しくみていきましょう。

【超低用量ピル】

超低用量ピルは、月経困難症や子宮内膜症の治療に用いられる薬で、卵胞ホルモン(エストロゲン)の含有量が0.03mg未満です。

ホルモン含有量が少ないため、頭痛や悪心などの副作用のリスクが少ないメリットがあります。

・効果
月経困難症の改善
月経前症候群(PMS)の改善
ニキビの改善
生理周期のコントロール
・副作用
少ない
・費用の相場
約10,000円
・保険適用
目的に応じて保険適用可


【低用量ピル】

低用量ピルは、避妊や生理不順、月経前症候群、ニキビ改善などに使われる薬で、エストロゲンの含有量が0.05mg以下です。

中でも避妊を目的とした使用が一般的で、経口避妊薬としての役割があります。正しく服用すれば、避妊率は99.7%と高いのが特徴です。

・効果
避妊
生理不順の改善
月経移動
月経困難症の改善
PMSの改善
ニキビの改善
・副作用
やや少ない
・費用の相場
2,000円~3,000円
・保険適用
目的に応じて保険適用可

【中用量ピル】

中用量ピルは、低用量ピルに比べてエストロゲンの含有量が多く、月経移動や生理不順、月経困難症などの改善に用いられます。

月経移動では生理を早めたり遅らせたりすることができるため、イベントや旅行など大切なシーンで生理を避けるのに有効です。

その他に、中用量ピルには緊急避妊の効果もあります。他のピルよりホルモン量が多いため、吐き気や嘔吐などの副作用が強く出る可能性があります。

・効果
月経移動
緊急避妊
月経困難症の改善
子宮内膜症の改善
・副作用
強い
・費用の相場
4,500円~5,500円
・保険適用
目的に応じて保険適用可

【アフターピル】

アフターピルは黄体ホルモンを主成分とする薬で、緊急避妊のために使われます。性行為後72時間以内に1錠服用することで、約84%の避妊効果が期待できます。

アフターピルを服用すると排卵が5~7日間抑制されます。また、精子の生存期間3~7日の間に排卵しないことで妊娠を避けられます。性行為の後、服用が早ければ早いほど避妊率は高まります。

アフターピルは、低用量ピルによる避妊と異なり、性行為後の服用で効果を得られる薬です。

・効果
緊急避妊
・副作用
やや強い
・費用の相場
7,000円~15,000円
・保険適用
保険適用外

低用量ピルで生理不順を改善する





生理不順の改善に用いられるのが低用量ピルです。

生理不順の原因はホルモンバランスの乱れです。低用量ピルには、女性ホルモンの「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」が含まれており、服用することでホルモンバランスの乱れが改善されます。

また、低用量ピルには7日間の休薬期間が設けられています。休薬期間中にピルを服用しないことで卵巣が活動し始めます。その影響で排卵が起こり、生理周期が規則的になります。

【低用量ピルのメリット】

生理不順の治療で低用量ピルが処方される場合は保険適用されるため、自費診療に比べて安く購入できます。また、内服薬なので頻繁な通院の必要がなく、手軽に治療できるメリットもあります。

その他に、高い避妊効果を得られるメリットも。また、ホルモンバランスが整うことで生理周期が安定し、月経前症候群や月経困難症の症状も緩和されます。

更に、排卵を抑制したり子宮内膜を薄く保つことで、卵巣がんや子宮体がんの予防にもつながります。低用量ピルにはエストロゲンが含まれていることから、大腸がんのリスクが軽減されるなど、多くのメリットがあります。

【低用量ピルのデメリット】

女性特有の悩みの改善や避妊効果、病気の予防など、メリットの多い低用量ピルですが、副作用が起こるデメリットもあります。

低用量ピルを服用することで、以下のような副作用が起こる可能性があります。


  • 吐き気

  • 頭痛

  • 悪心

  • 腹痛

  • 下痢

  • 乳房の張り

  • むくみ

  • 不正出血

  • 血栓症




副作用の中で最も多いのが不正出血ですが、ピルの飲み始めから1~2ヶ月ほどで体が慣れてきて、治まることがほとんどです。

低用量ピルの服用で心配されるのが血栓症です。血栓症を発症する確率は低いものの、重症化すると死に至るリスクもあるため注意が必要です。

ふくらはぎの痛みやむくみ、手足のしびれ、頭痛やめまいなど、血栓症の初期症状が起こった場合は、服用を中止して医師の診察を受けましょう。

血栓症は低用量ピルを服用し始めて3ヶ月以内に起こることが多いです。体調に異変を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

生理不順が改善される仕組み



低用量ピルを服用することで、生理不順の原因となる女性ホルモンバランスの乱れが改善されます。

低用量ピルには2種類の女性ホルモン「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」が配合されており、服用することで体内のホルモン量が調整されます。

また、低用量ピルには休薬期間が設けられており、休薬期間中に排卵や消退出血(生理)が起こることで、生理周期が規則的になります。

生理不順で低用量ピルを服用する際の注意点





低用量ピルの効果を十分に得るためには、毎日ほぼ一定の時間にピルを1錠服用する必要があります。また、ピルを中断すると生理不順が再発するリスクもあります。

ここからは、生理不順の改善のために低用量ピルを服用する際の注意点について詳しくみていきましょう。

【毎日決まった時間に1日1錠服用する】

低用量ピルは、毎日決まった時間に1日1錠飲み続ける必要があります。

一定のサイクルでピルの服用を続けることで、体内のホルモン量を一定に保つことができます。服用する時間は決められていませんが、起床時や就寝前など、習慣付けて飲みやすいタイミングを選びましょう。

ピルの飲み忘れを防ぐためにアラームを設定したり、ピルの服用を管理するアプリを活用するのもおすすめです。

【ピルの服用を中断すると生理不順が再発することもある】

低用量ピルの服用を止めると、生理不順が再発する可能性もあります。

ピルの服用を中止した後に、過度なダイエットや激しいスポーツを取り入れたり、強いストレスを受ける環境下にある人は注意が必要です。再び生理不順になることも考えられます。

【ピルの服用で血栓症のリスクが高まることを知っておく】

低用量ピルを服用すると、血栓症のリスクが高まります。

血栓症とは血管の中に血の塊ができて、血流が滞る症状です。低用量ピルには血液凝固作用があるため、脱水症状になると血栓症を発症しやすくなります。

血栓症のリスクを最小限に抑えるために、以下の点に注意してください。


  • 定期的に医師の診察を受ける

  • 適度な運動やストレッチを取り入れて血流を促す

  • 小まめに水分補給する

  • 喫煙を控える




低用量ピルの服用で血栓症が生じる可能性は極めて低いものの、発症すると命に関わる病気です。

日頃の生活で、適度な運動やストレッチを取り入れ、水分補給も心がけましょう。また、タバコには血管を収縮させる作用があるため、喫煙も控えるようにしましょう。

生理不順改善のためのピル服用に関するよくあるQ&A





授乳中にピルを服用できる?


低用量ピルのガイドラインでは、産後6ヶ月以上経過していて、医師が服用できると判断した場合のみ、授乳中でもピルを服用できます。

授乳中に低用量ピルを服用すると、母乳の量や質が低下する可能性があります。また、母乳にピルの成分が含まれ、乳児に影響を及ぼすこともあります。

また、産後は血栓症のリスクが高くなる時期でもあります。低用量ピルを服用する場合は必ず医師の診察を受けましょう。

生理不順でピルを使用するなら保険適用される?



ホルモンバランスの乱れによる生理不順でピルを使用する場合は保険適用されます。

月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的とするピルは保険適用になります。一方、避妊や月経移動のためのピルは治療には該当しないため自費診療となります。

生理不順で婦人科を受診したらどんな検査をする?



生理不順で婦人科を受診した場合、問診や採血、エコー検査が行われます。性交渉の経験がない場合は、内診ではなくお腹の上からエコー検査します。基礎体温をつけている場合はその記録も持参しましょう。

生理不順の原因として、子宮がんや卵巣がん、性感染症などの病気が考えられる場合は、がん検診や性病検査も行います。

生理不順で婦人科を受診したら何を聞かれますか?



生理不順で婦人科を受診した場合、生理周期や生理の日数、最終の生理日、初潮の年齢、性交渉の有無などを問診で聞かれます。

答えにくい質問もあるかもしれませんが、診断のために必要なので正確に回答しましょう。

生理不順かどうかを自分で判断する方法はありますか?



生理不順かどうかを自分で判断するために、まずは基礎体温をつけてみましょう。

3ヶ月ほど基礎体温をつけると、生理周期の乱れの有無がわかります。また、低温期と高温期があるかどうかで、排卵の有無もわかります。

生理不順で婦人科を受診する際にも、基礎体温の記録があれば診断もスムーズです。

ピルを飲んだり止めたりするのは危険?



ピルを飲んだり止めたりするのを繰り返すと、血栓症のリスクが高まります。

血栓症はピルの服用開始から3ヶ月以内に発症するリスクが高いため、中止と再開を繰り返すことで、常に血栓症のリスクと隣り合わせになります。

ピルは内診なしでも処方してもらうことはできる?



ピルは内診なしでも処方してもらえます。問診や血圧・体重測定を行い、医師が処方可能と判断した場合は、内診なしで処方してもらえます。

ただし、月経困難症や過多月経の場合は、子宮内膜症や子宮筋腫の可能性もあるため、エコー検査を受ける必要があります。性交渉の経験がない若い人は、お腹のエコー検査を行います。

ピルを飲むことで将来妊娠しにくくならない?



ピルを飲むことで将来妊娠しにくくなることはないため安心してください。

長期間ピルを服用しても、中止すると1~3ヶ月で正常な生理周期に戻り、排卵が起こるため妊娠が可能になります。

ピルを服用したことによって、不妊症になるようなこともありません。

ピル服用中に中出しして妊娠する確率は?



低用量ピルを正しく服用することで99.7%の確率で避妊効果を得られます。そのため、中出し(膣内射精)した場合でも妊娠しにくいといえます。

ただし、低用量ピルを正しく服用しても100%妊娠を防ぐことはできません。0.3%の割合で妊娠する可能性があるため、コンドームなどの避妊具との併用で対策しましょう。
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