CELEBRITY / NEWS

チャールズ国王、戴冠式で聖エドワード王冠と大英帝国王冠を使用

チャールズ国王が戴冠式で着用した聖エドワード王冠と大英帝国王冠の違いとは。
Photo: WPA Pool/Getty Images

イギリスの国王チャールズ3世の戴冠式が、5月6日(現地時間)にロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われた。昨年9月にエリザベス女王が逝去したことを受け即位したチャールズ国王は、この儀式でカンタベリー大司教から聖エドワード王冠をいただき、イギリスの君主であることに加え、英国国教会の首長としての権威付けが行われた。

チャールズ3世は、聖エドワード王冠を戴冠式で使った7人目の君主。

Photo: WPA Pool/Getty Images

聖エドワード王冠は、1661年にチャールズ2世のために作られたもので、重さは約2キロ超。金無垢のフレームにルビーやアメジスト、サファイヤ、ガーネット、トルマリンなど貴重な宝石があしらわれ、紫のベルベットやファーで装飾されている。この王冠は伝統的に戴冠式でのみ使われ、過去360年で1953年のエリザベス女王をはじめとする6人の君主が戴冠している。

一連の儀式を終えた後、チャールズ国王は寺院を出る前に聖エドワード王冠から大英帝国王冠に冠を召し替えた。大英帝国王冠は、議会の開会式など国家行事で使用されるもので、昨年9月のエリザベス女王の葬儀でも棺の上に置かれた。1937年にエリザベス女王の父、ジョージ6世のために製作されたこの王冠は、王冠前部に「セカンド・スター・オブ・アフリカ」と呼ばれる大粒のダイヤモンド、カリナンⅡがあしらわれ、ほかに2868個のダイヤモンドと269粒のパール、17個のサファイア、11個のエメラルド、そして5個のルビーで装飾されている。重さは聖エドワード王冠の半分だが、それでも1.06キロあるそうだ。

Photo: WPA Pool/Getty Images

戴冠式ではまた、カミラ王妃もメアリー王妃の冠を頂いた。この冠は、1911年に行われたジョージ6世の戴冠式でメアリー王妃のために作られたもので、シルバー製で大粒のダイヤモンド、カリナンⅢ、カリナンⅣ、カリナンⅤのほか、2200個のダイヤがあしらわれている。これまで歴史的に王妃の冠は新たに製作されてきたが、持続可能性と効率性への配慮から今回の戴冠式では初めて、既存の冠を使用し、カミラ王妃のために形や大きさを調整した。

Photo: Leon Neal/Getty Images

チャールズ国王の戴冠式では、王妃の冠のほかにも時代に沿うようにアップデートが行われ、儀式が短縮されたほか、女性聖職者や複数の信仰の代表が式の進行に関わるなど、多様性を意識したものとなった。

Text: Tae Terai