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特集

簿記、秘書検定、忍者検定…「資格ゲッターズ」に聞く資格取得のススメ

「今年こそは!」と、何かに挑戦したくなる年初め。今回は、そんな早大生にぴったりの資格・検定特集です。公認サークル「資格ゲッターズ」に所属し、大学時代に14種類の資格を取得した4年生へのインタビューのほか、就職活動にも役立つ資格から聞いたこともない面白い資格まで、会員の皆さんが取得した資格を紹介してもらいました。彼らの体験談を参考に、今年はぜひ履歴書にも書ける新たな資格を取得して、趣味や特技を増やしてみませんか?

「資格のための勉強なら自分を追い込める」

社会科学部 4年 澤井 優知(さわい・まさとも)

※1年次の秋から3年次の12月まで「資格ゲッターズ」所属

――大学時代に取得した資格だけでも14種類。これだけ数多くの資格を取得しようと思った理由を聞かせてください。

就活も多少意識していましたが、直接的に資格が生きるとも考えていなかったので、半分趣味みたいな感覚からです。知識を仕入れるのが好きで、サークル合宿で取得した簡単な資格だけでなく、個人的にも調味料検定や象使い資格などいろいろ手を出しました。

友人には「勉強してもどうせ忘れちゃうから意味ないでしょ」と言われることもありますが、一度勉強していると、仮に忘れてしまっても、テレビで見たり、博物館に行ったりしたときに「そう言えば、こういうこともあったな」と思い出して調べ直すことで、だんだんその知識が定着していきます。「ゼロじゃないフィールドを広げていくこと」が重要だと思っています。

澤井さんが取得した資格・検定

――資格取得にこだわるのはどうしてですか?

資格取得となると、受検日までの勉強期限が決められていますし、受検料・テキスト代などのお金もかかっているので、「勉強しなきゃ」という意志が強まります。また、資格取得用のテキストはよくまとまっていて勉強しやすいというのもありますね。もちろん、自分で本を読んで知識を深めていくこともできますが、僕は自分を追い込むことができるという面から資格を通した勉強をよく選択しています。

「資格は錯覚資産になり得る」とよく言われます。例えば、TOEIC900点というだけで、英会話ができなかったとしても一般的には「すごく英語力のある人だ」と思われますよね。自分を定量的に高く評価してもらえる証しになるので、若いうちに資格を取得していることは、いろいろな面で有利に働くと思います。

合格証の一部。「中途半端に手を抜いて落ちたらもったいない」という考えの下、取得した資格は全て一発合格。就活の面接で一番よく聞かれたのは甲賀流忍者検定だったという

――卒業後の目標を教えてください。

ラオスへ行き、サークルのメンバー4人で取得した象使い資格。「前に進め」「しゃがめ」などの象語の暗記が難しかったそう

春から資産運用会社に就職することもあり、昨年10月に証券アナリストの一次試験を受検しました。2カ月前から計画を立てて勉強し、無事合格しましたが、内容が高度でこれまでの資格試験の中で一番難しかったです。今年6月には記述式が主となる二次試験がありますので、まずはそこに向けて頑張りたいです。その後は、CFA(米国版証券アナリスト)にも挑戦したいと考えています。一方で、日本さかな検定(ととけん)や日本城郭検定など、趣味のような資格も取得し、幅広く学び続けていきたいと思っています。

「資格ゲッターズ」が取得した資格・検定をご紹介

【その1】秘書検定2級

幹事長 文化構想学部 2年 児嶋 夏花(こじま・なつか)

右手に持っているのは、巻物になっている甲賀流忍者検定合格証

秘書検定(公益財団法人 実務技能検定協会)は、社会人としての基本的な常識を問われる検定です。私は秘書を目指しているわけではないのですが、就活に備えて受検しました。と言うのも、上司不在時の対応などのビジネスマナーをはじめ、冠婚葬祭のマナーや手紙・メールの書き方なども学べるので、普段の生活でも役立つことがたくさんあるからです。

大学生で最初に受けるなら2級がいいと聞き、2週間ほど勉強して昨年6月に合格しました。さすがにぶっつけ本番では受からないと思いますが、問題集で過去問題を解いていくと、パターンが分かってきてコツがつかめます。試験は年3回(準1級と1級は年2回)あり、これから就活をする人、社会人になる人は受検して損はない検定です。

11月には準1級を受検し、一次試験の筆記に合格したところです(準1級からは二次試験で面接もあります)。受検を通して秘書の仕事はすごく大変なことが分かり、自分には秘書は無理だなと思いましたが、準1級に合格できたら1級にも挑戦したいと思っています。

▼その他に取得した資格・検定
世界遺産検定2級、甲賀流忍者検定初級、初級バーベキューインストラクター検定、スキー検定3級、お好み焼き検定初級、宇治茶ムリエ

毎年6月にサークルで行う「忍者合宿」は、夜行バスで滋賀県まで行き、甲賀流忍者検定試験を受けて夜行バスで東京に戻る、0泊3日の強行日程です
(写真左)筆記試験後には実技試験(手裏剣投げと吹き矢)もあり、加点がもらえます
(写真右)試験にコスプレで臨むと加点対象になるので、みんなで仮装しました

【その2】日商簿記検定3級

社会科学部 2年 中村 優斗(なかむら・ゆうと)

大学に入学したときに「将来使える資格を」と思ってサークル入会とほぼ同時に申し込んだのが、日商簿記検定(日本商工会議所および各地商工会議所主催)3級でした。基本的な商業簿記を修得できる3級は、業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」とされています。自分も、どこの会社にも経理部門があることを考えて受検しました。

試験は年3回(1級のみ年2回)あり、マークシートではなく数値を入れ込んで回答していきます。電卓・そろばんの持ち込みも可能です。6月の試験のために2カ月前から勉強を始め、最後の1~2週間でガッツリと取り組んだところ、無事合格できました。

昨年は2級に挑戦しましたが、2級になると工業簿記が加わり、テキストも3倍くらいの厚さになっていて試験当日までに勉強が間に合わず、合格できませんでした。今年また2級を受検するか断念するか迷っているところですが、友人が2級を受けると言っているので、触発されて再度挑戦するかもしれません。

▼その他に取得した資格・検定
漢字検定3級、宇治茶ムリエ

【その3】心理学検定1級

副幹事長 商学部 2年 原 駿介(はら・しゅんすけ)

もともと心理学に関心があり、自分が心理学のどのジャンルに興味があるのか絞ってみたいと思って心理学検定(一般社団法人 日本心理学諸学会連合認定)を受検しました。試験は年1回(8月下旬)で、夏休み前半は旅行中も含めてほぼ毎日勉強し、最後の2週間は1日3~5時間勉強しました。今振り返ると、自分でも結構努力したなぁと思います(笑)。

検定は「原理・研究法・歴史」「発達・教育」「臨床・障害」「犯罪・非行」など10科目に分かれていて、一度に8科目まで受検できます。合格した科目数に応じて取得級が決まり、自分は6科目合格して1級を取得することができました。なお、最低2回の受検が必要ですが、全10科目に合格すると特1級を取得できます。

今回受検してみて、一番自分とも関わりのある社会心理学に興味があることが分かりました。この検定を持っていると、心理カウンセラーの仕事で優遇されることもあるそうなので、就職先の可能性が広がったかなと思います。今年は、日商簿記検定2級(3度目の挑戦!)やFP技能検定2級・3級を受検したいと考えています。

▼その他に取得した資格・検定
世界遺産検定2級、日商簿記検定3級、甲賀流忍者検定初級、宇治茶ムリエ、初級バーベキューインストラクター検定、スキー検定3級

2018年の夏合宿では、宇治茶ムリエ認定講座をみんなで受講し、京都からお呼びした講師の方々に宇治茶の知識やおいしい入れ方を教わりました

【その4】日経TEST スコア593

文化構想学部 2年 堀口 宗朔(ほりぐち・かずき)

日経TEST(日本経済新聞社)は、経済に関する「知識」とそれを実際の仕事に生かす「考える力」の二つを総合した「ビジネスの基礎力」を客観的に測るテストです。年2回行われていて、2018年11月にサークル員10人で団体受検しました。

日本経済新聞を読んでいれば解ける問題が多いので、テストの3~4カ月前から毎日30~40分は新聞を読み、気になる記事を切り抜いていたほか、1カ月前からはテキストで実践的な問題にも取り組みました。

私のスコア593は1級(1級の上は特級)に相当し、サークルのメンバー内では3位でした。また、団体受検をした大学の中で私たちのチームは全国5位になりました! 成績表は総合スコアだけでなく、結果が細分化されているので、自分に何の力が足りないのかが分かります。この受検を通じて、就活のための業界研究もできました。

今でも気になる記事はスクラップしています

昨年は勉強時間が200時間以上必要と言われている宅建(宅地建物取引士)に挑戦しましたが、そこまで勉強する時間が足りず合格できませんでした。不動産業界を志望しているので、今年の秋こそは合格したいです。

▼その他に取得した資格・検定
ICTプロフィシエンシー検定準2級、世界遺産検定3級、宇治茶ムリエ

【その5】初級バーベキューインストラクター検定

前幹事長 社会科学部 3年 奥村 紗衣(おくむら・さえ)

昨年の夏合宿で山梨へ行き、最終日に初級バーベキューインストラクター検定(日本バーベキュー協会)を受検しました。毎回、合宿では気軽にみんなで取得できる資格受検を組み込んでいます。

まず、オーストラリアなど海外で行われているバーベキューの映像を見たりしながら90分間の講義を受け、日本で浸透しているバーベキューにはない楽しみ方や塊肉の食べ方などを学びました。その後2時間ほど、実技として実際にバーベキューを行います。講義でも紹介された蓋(ふた)付きの鍋を使って、炭の起こし方や火加減、焼き加減などを教わりながら、骨付きの塊肉や野菜を焼きました。これまで私はピーマンが苦手でしたが、切らずに丸ごとオリーブオイルを塗って焼くと、苦味よりも甘味が増しておいしく食べられたのが衝撃的でした!

実技の後に最終確認の筆記試験があるものの、講習をきちんと受けていれば合格できる試験です。受検料は15,000円強と少し高かったですが、おなかもいっぱいになり、みんなで楽しい時間を過ごせて、いい経験になりました。今後友人とバーベキューをする機会には今回の検定で学んだことが役立ちそうです。

▼その他に取得した資格・検定
入浴検定、甲賀流忍者検定初級、N検定準2級、スキー検定3級、秘書検定2級、化粧品検定3級

初級バーベキューインストラクター検定の実技講習の様子。肉にはカレー粉などさまざまなスパイスが混ざった粉を振り掛け、染み込ませてから焼きました

公認サークル「資格ゲッターズ」

幹事長 文化構想学部 2年 児嶋 夏花(こじま・なつか)

「資格ゲッターズ」は1999年に設立された資格取得サークルです。TOEICや簿記などの就職活動に生かせる資格から、宅地建物取引主任者やファイナンシャル・プランニング技能士などの国家資格、さらには忍者検定やお好み焼き検定などのネタ資格まで、さまざまな資格取得を目指しています。

年2~3回の合宿では、事前勉強不要、かつ1日で気軽に取れる資格をみんなで受検していますが、それ以外は基本的に自分の取りたい資格をそれぞれのペースで受検しています。同じ目標を持って勉強をしている人が近くにいると、情報交換できたり、自分のモチベーションにもなります。また、落ちたときには慰め合うこともできます(笑)。

先輩方が残してくれたテキストや過去問題集を無料で借りられるほか、モニター受検や団体受検で受検料が無料・割引になる資格もあります。資格取得に興味のある人は、ぜひ一度部室に来てください!

【活動日】毎週火・木曜 13:00~18:00(勉強や情報交換など)、月1回定例会(懇親会)、年2~3回合宿
【Twitter】@License Getters

初級バーベキューインストラクター検定を受験した夏合宿にて(後列左端は講師の方)

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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