犬が無駄吠えする理由は何?理由やしつけ方お教えいたします!

ワンワンって言っているけど、これって無駄吠え?近所迷惑にならないかな?なんで犬って吠えるの?

そんな疑問にお答えし、しつけ方についてもお教えいたします!

 

☆無駄吠えする原因

犬にとっては「吠える」ということはごく自然な事です。

人は言葉を使ってコミュニケーションを取りますが、犬にとっては「吠える」こともコミュニケーションのうちの一つなのです。

この「吠える」ことにも様々な理由があります。

あいさつ・警戒・恐怖・要求・注意喚起など、ただ吠えているのではなく犬にも理由があって吠えているのです。

しかし、人と暮らしていく中で早朝に吠えたり、吠えて欲しくない場面で吠えたりと困る場合もあります。

ご家族が許容出来る範囲を超えている事を「無駄吠え」といい問題行動となっていきます。

 

☆よく吠える犬種

この犬種はよく吠える!と聞いたことありませんか?

なぜよく吠えるのか。それは「吠える」ことを仕事として行ってきた犬種で、そのために品種改良をされてきた背景があるからです。

よく吠える代表的な犬種をお教えします

◆ダックスフンド・・・アナグマ狩猟犬で獲物の位置を吠えて知らせる

◆ボーダーコリー、シェットランド・シープドッグ・・・牧羊犬・牧畜犬として牧場で群れを吠えて誘導したり、敵を追い返す際に吠えたりして仕事をする犬種

◆ヨークシャー・テリア・・・ネズミ等の猟犬として獲物を地中の巣穴に追い込んだり追い出したりして、その場所を吠えて知らせる

◆ビーグル・・・吠え声を使い、野ウサギ猟をしていたため、声も大きい

他にも様々な犬種が遺伝的要因により「吠える」ことが多い犬種がいます。

うちの子はどんな仕事をしていた犬種なのか調べてみると無駄吠えに対する対策も練りやすいでしょう。

 

☆無駄吠えは何が問題?

最初にお伝えしたとおり、家族が許容出来る範囲を超えている事を「無駄吠え」といいます。

吠える声が大きく、マンションなど近隣とトラブルになってしまったり、知らない人や通りすがりの車、家族にさえも吠えながら追いかけていたりすると生活する上で困ってしまいます。

手に負えなくなる前に予防やしつけを行うと犬も人もお互いに住みやすくなるでしょう。

 

☆予防やしつけ

ではどのように教えたらいいのでしょうか?

<インターホンがなると吠える>

こちらは協力者にお願いをし、インターホンを押してもらいます。このとき吠える以外の仕事を作ってあげます。

インターホンの音が鳴ったら「ハウス」と指示し、ハウスに入るという流れを繰り返します。

この時ハウスにご褒美をいれておくとインターホンが鳴ったらハウスに入るとご褒美があり良いことがあったと考えるのでこの行動が増えていきます。

<来客時に吠える>

恐怖・警戒から吠えることが多いので、恐怖・警戒心を取り除いてあげなければいけません。

来客は怖くない、警戒しなくてもいい存在だと教えるため最初のステップとしては人が来たら特別に好きなおやつをあげるという練習をします。

少しずつ警戒心や恐怖心を減らして落ち着く時間が出来てきたら、次のステップは吠えている最中にはおやつをあげずに「吠える」行動が止まったらおやつをあげましょう

吠えている間は無理に目を合わせる必要もありません。むしろ目が合うことで警戒心、恐怖心があおられることもあるので吠えている間は目を合わせないようにしながら無視をして、落ち着くまで待ってあげてください。

吠えている間におやつをあげてしまうと「吠える」と「ご褒美」がもらえると思ってしまうので無駄吠えが助長されてしまいます。

<かまって欲しくて吠える>

基本的にはエネルギーが有り余っていると、かまって欲しくて「吠える」ことがあるので散歩をしたりおもちゃで遊んだりしてしっかりとエネルギーを発散することが重要です。

それでも吠える場合は吠えたらハウスを指示して、吠えなくなったらハウスから出して遊んであげましょう。

吠えても要求が通らない事を教え、吠えないでいればかまってもらえるということを教えます

<窓の外を見て追いかける、吠える>

外の何かに反応して刺激になり吠えている可能性があるので、窓にスモークをつけたり窓の近くに行けないようにしたりして吠える要因となる物を見えなくして吠えなくてもいい環境を整えてあげましょう。

 

☆体罰は厳禁

「吠える」こととやめさせるために叱って説教をしたり、叩いてやめさせようとしたりしまうこともあるかもしれませんが、無駄吠えの場合だと吠えているところに家族が来てくれて「やめなさい!何をやっているの!静かに!」と声をかけに来てくれます。

ご家族は叱っているつもりでも犬にとっては吠えたらご家族が自分のところに来て声をかけてくれた、かまってくれたと思い「吠えれば人が来てくれるからもっと吠えよう」とさらに吠える事があります。

人から見ると叱っているつもりでも犬にとってはご褒美のようになってしまうことがあります。

お客さんが来たときに吠えるから体罰を行ったなどの場合は来客が来ると体罰をされると思い、家族ではなく来客により攻撃的になったり、警戒吠えが悪化したりすることもあります。

また、ご家族に対しても不信感を覚えてしまうこともあります。

体罰は犬にとって肉体的にも精神的にも辛いことです。信頼関係も壊れてしまいますので行わないようにしましょう。

 

☆病気の可能性

実は無駄吠えは病気による可能性があることも・・・

高齢化による認知機能低下症により夜鳴きをしたり吠え続けたりすることが多くなる可能性もあります。また、普段吠えない子が急に吠えるようになったり、触ると吠えたりする場合、もしかするとどこか痛くて吠えて訴えている場合があります。

ご心配でしたら一度病院にご相談ください。

この記事を書いた人

荻野 直孝(獣医師)
動物とご家族のため日々丁寧な診療と分かりやすい説明を心がけています。日本獣医輸血研究会で動物の正しい献血・輸血の知識を日本全国に広めるために講演、書籍執筆など活動中。3児の父で休日はいつも子供たちに揉まれて育児に奮闘している。趣味はダイビング、スキーと意外とアクティブ。