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今年度の最低賃金(時給)について、中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会が、全国平均を現在の961円から1000円台に引き上げる方向で最終調整に入ったことが関係者の話でわかった。物価高騰や春闘での賃上げの結果を重視したとみられ、正式に決まれば、最低賃金が初めて1000円台に到達する。28日に協議し、決着する可能性がある。
最低賃金は、労働者の生活安定のため、都道府県ごとに定められている時給の下限額。審議会が、物価や賃金の上昇率などを参考に議論して、毎年、引き上げ額の目安を決めている。
6月末から始まった小委員会での議論で、労働者側は「物価高騰の中、労働者の生活を守るには大幅な賃金上昇が必要だ」と主張。これに対し、使用者側は、「中小企業の中には業績が厳しい業種もある」と訴え、上げ幅を抑制するよう求めている。
26日には、引き上げ額の目安を示すため、詰めの協議が行われたが、両者の溝は埋まらず、決着は、28日の協議に持ち越しとなった。
小委員会では、政府に対して、大幅な引き上げに向けて使用者側の理解を得るため、経営の厳しい中小企業への支援拡充を求めることなども検討している。
政府は今年6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」で、「全国平均1000円の達成も含め審議会で議論する」と明記している。