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【滄州(中国河北省)=山下福太郎】中国の不動産開発大手・中国恒大集団の経営危機を受けて、河北省滄州市の地方銀行「滄州銀行」で取り付け騒ぎが起きた。同行が恒大に34億元(約690億円)を融資しているとの偽情報がSNS上で拡散したことが原因とみられ、8日以降、恒大が破綻すれば自分の預金が引き出せなくなると懸念する預金者が店舗に殺到した。
SNSには恒大に融資する他行のリストも投稿されている。滄州銀行は、実際の融資額は10分の1の3・46億元だと発表し、沈静化を図っている。
13日午前、滄州市中心部の支店では、資金繰りに不安がないことを強調するため、窓口の内側には100元札が1メートルほどの高さに積み上げられていた。
来店客はまばらだったが、警備員が10人近く配置され、入り口には「滄州銀行は健全な経営を堅持している。預金はすべて保護される」とする9日付の当局の文書も掲示されていた。地元政府も騒ぎの拡大を強く警戒しているとみられる。
支店を訪れた50歳代の男性は「銀行も政府も信用できない。自分で身を守るしかない」と不安げに話した。