花粉症治療の副作用を大幅に軽減…原因たんぱく質を「膜」で包み服用、治療短縮も期待

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 花粉症などのアレルギーの治療に伴う副作用を大幅に軽減する方法を開発したと、九州大大学院などの研究チームが発表した。アレルギーの原因たんぱく質を特殊な膜で包んで服用することで、免疫細胞の“ディフェンス”を上手にかわして副作用を防ぐ。治療にかかる期間も短縮できると期待される。(大森祐輔)

九大などチーム 手法開発

 花粉症などの治療には長年、点鼻薬などで症状を抑える対症療法が採られてきた。2010年頃には、原因たんぱく質を少量ずつ服用し、体を慣れさせる免疫療法が実用化。体内に入った異物の情報を「学習」する樹状細胞が、原因たんぱく質を繰り返し取り込むうちにアレルギーを根治するもので、14年には花粉症の薬剤が保険適用された。

 だが、原因たんぱく質はわずかな量でも免疫細胞を刺激し、舌下から服用する場合なら、喉の腫れやかゆみなどの副作用を招くことがある。そのため、副作用のつらさから治療を途中で断念するケースも多い。

 九州大大学院と同大病院、慶応義塾大でつくる研究チームは、免疫細胞を刺激せずに原因たんぱく質を服用できる方法を模索。寒天やセルロースなどと同じ多糖類の「マンナン」で原因たんぱく質を包んだ直径約100ナノ・メートル(1ナノ・メートルは10億分の1メートル)の粒子をマウスに投与したところ、副作用を起こさずに体に慣れさせることができたという。

1

2

スクラップは会員限定です

使い方
「医療・健康」の最新記事一覧
記事に関する報告
5085423 0 医療・健康 2024/02/28 09:01:00 2024/02/28 09:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2024/02/20240228-OYT1I50031-T.jpg?type=thumbnail

主要ニュース

セレクション

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)