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横断歩道と言えば黒いアスファルトに白線を引いたものが思い浮かぶ。そんな既成概念を覆す、赤に青、緑とカラフルな横断歩道がある。鮮やかな色彩でドライバーの注意を引く狙いで10年以上前に導入が始まったが、今も多くの人にはなじみが薄く、SNSなどに「この横断歩道はなに?」と驚きの声が投稿される。道路横断中の歩行者の事故防止は喫緊の課題で、カラー化の視覚効果に期待が寄せられている。(浜崎大弥)
手前で減速
宮崎市中心部、県庁そばの県道にかかる横断歩道が今年8月、目にも鮮やかな紅白に塗り替えられた。通りかかった市内の大学教授の女性(49)は「こんな派手な横断歩道は初めて見た。ちょっと不気味なぐらいで、車も慎重になるかも」と驚く。近くで観察すると、通行する車の多くが横断歩道の手前で速度を落としていた。
今回、紅白に塗り替えた横断歩道は宮崎県内の27か所。いずれも信号機がなく、死亡事故や接触事故が起きた場所もある。県警が道路管理者の県などと相談し、「遠くからも視認しやすい」と、赤と白に塗ることにした。県警交通部の阪本哲司統括官は「横断歩道が見やすくなって、交通安全への意識も高めてほしい」と期待を寄せる。
雪で目立たず
カラー化のルーツは定かでなく、2000年代後半には始まっていたとされる。北海道は初期に導入した地域の一つとされ、国土交通省北海道開発局によると、08年頃に札幌市で紅白の横断歩道が登場した。
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