完了しました
2021年度予算案は政府・与党の想定通り、2日に衆院通過した。審議に大きな混乱はなかったとはいえ、菅首相は質問に正面からは答えない場面が目立ち、自民党内でも「自分の言葉でしっかり説明すべきだ」との声も漏れている。野党は総務省接待問題などで首相の責任を追及したが、新事実を発掘できずに終わった。
「先ほど、田村厚生労働相が現状について答弁した」
首相は2日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルス対策について地方自治体から不安の声が出ていることへの認識を問われると、こう返した。
質問した立憲民主党の大西健介氏はなおも首相の見解を求めたが、「地方との課題は厚労相、あるいは西村経済再生相が調整している。西村氏に地方の状況を把握するよう指示している」と、にべもなかった。
自身の長男が勤める放送関連会社による総務省幹部の接待問題でも、答弁を避ける姿勢が際立った。長男の関与や幹部による倫理規程違反などは謝罪したものの、野党側が「首相の長男の接待だから総務省幹部は断りにくかったのではないか」などと詰めると、「行政府の長として答弁は避けるべきだ」と繰り返した。
こうした首相の対応には、自民党内からも「首相の説明が求められている時に、準備した文書を読み上げるような答弁はよくない」(閣僚経験者)との声が出ている。自民党幹部は2日、首相の答弁について、「しっかりとした言葉使いで誤解のないような答弁をしてほしい」と首相周辺に伝えたことを明らかにした。