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林官房長官は5日の記者会見で岸田首相が米国への公式訪問に合わせ、4月11日に米議会の上下両院合同会議で演説すると発表した。首相は11月の米大統領選を前に、強固な日米同盟の重要性を訴える見通しだ。
日本の首相による合同会議での演説は2015年の安倍元首相以来、9年ぶりとなる。上下両院の民主、共和両党指導部が4日、首相に対し、合同会議で演説するよう招待する書簡を出した。
林氏は「国際社会が様々な課題に直面する今こそ、日米の固い結束が重要だ」と述べた。
安倍氏が15年に合同会議で演説した際は、「先の大戦に対する痛切な反省」を表明し、日米同盟を「希望の同盟」と呼んで強化の必要性を訴えた。政府内では今回、「未来志向で同盟を強化する」(首相周辺)とのメッセージを発信する案が出ている。
首相の演説は、ロシアがウクライナを侵略し、中国が覇権主義的な動きを強めていることに加え、中東情勢が緊迫化するなど、15年当時よりも一層厳しくなった国際情勢を反映したものとなる。首相は22年12月、国家安全保障戦略を改定し、安保関連費を対国内総生産(GDP)比2%へ引き上げることなど、同盟強化に向けた自らの決断に言及するとみられる。
首相はバイデン大統領から国賓待遇で招かれており、4月10日に首脳会談や公式晩さん会に臨む予定だ。
米国滞在中には、トヨタ自動車が工場を建設中のノースカロライナ州を訪れることも検討している。
大統領選で再選する可能性が指摘されているトランプ前大統領は米国内の雇用拡大を重視しており、政府高官は「日本企業の大きな貢献をトランプ氏にもアピールする狙いがある」と語った。