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ウクライナ国営通信などによると、ロシア軍は10日、ウクライナ東部ドネツク州北方の要衝バフムト近郊の町ソレダル一帯に86回の砲撃を加えた。タス通信は10日、露軍側がソレダルを掌握下に置いたと報じ、今後、バフムト攻略に向けて攻勢を強めるとみられる。
報道によると、露軍はバフムトから北に10キロ・メートル離れたソレダル一帯を多連装ロケットシステムなどで攻撃し、15人以下の小隊で次々と突撃を図った。露側は民間軍事会社「ワグネル」の雇い兵を主力として投じ、多大な損失を出しながらも前進したという。
ウクライナ国防次官のSNSによると、露軍はいったん退却したが、その後、ワグネルの兵で部隊を再編し、戦術を変更して再び攻撃を仕掛けたという。ウクライナ軍報道官は地元テレビで、「(ソレダルは)東部戦線で最も困難な状況になっている」と話した。
ソレダルは塩の生産地で、地下には約300キロ・メートルにわたって岩塩鉱の坑道が走っているとされる。ロイター通信によると、ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏はこの坑道について、「多数の部隊だけでなく戦車や兵器も収容できる」と述べた。
バフムトは幹線道路が交差し、交通の要衝として知られる。英国防省は10日、露軍のソレダル制圧の狙いは北側からのバフムト包囲だとの分析を明らかにした。露軍はバフムトを掌握することで補給ルートを確保し、同州の主要都市スラビャンスクへの進出を狙っている可能性がある。