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【ジュネーブ=森井雄一】ロシアによる侵略が2年続くウクライナでは、多くの人々が住み慣れた地を追われている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、計647万人超(今月時点)が国外での生活を余儀なくされている。国内避難民も国際移住機関(IOM)によれば、368万人(昨年12月時点)に上る。
国別にみると、欧州ではドイツが113万人、ポーランドが95万人をそれぞれ受け入れており、この2か国が突出して多い。このほか、チェコ38万人、英国25万人などとなっており、カナダと米国を除くと大半は欧州にとどまっている。ロシアにも121万人がいる。
侵略開始当時、ウクライナの人口は約4200万人。それと比べると、約4分の1が帰還できずにいる。UNHCRの調査では、国内外で過ごす避難民の7割前後が故郷への帰還を望んでいる。ただ、戦闘が続く中、安全面での不安があるほか、仕事や住宅を確保できるかどうかも分からないことがネックになっているようだ。
IOMのエイミー・ポープ事務局長は22日、ウクライナの現状について「破壊は広がり、人命は失われ、苦しみが続いている。支援のニーズは依然として膨大だ」と述べた。
ウクライナからは、2022年2月の侵略開始から2か月足らずで500万人が国外に逃れ、「戦後の欧州で前例のない事態」(UNHCR)となった。一時は1000万人超が国境を越えて退避したが、戦況の