義肢装具学のための知識
作用・反作用について
北海道科学大学 保健医療学部 義肢装具学科(昆 恵介)

作用・反作用の法則(反力のはなし)

ここで三度であるがニュートンの三大法則について復習しておこう

 
1)慣性の法則
2)運動方程式
3)作用・反作用の法則

 

残るは作用・反作用の法則である。右図の相撲をしている図では動きがわからないが、こう着状態で右にも左にも動かない状態であると思って欲しい。両者は力を入れて押しているのにまったく動かないとはどういうことか?ここで左の人が力を抜けば、右の人にとっては“抵抗”(反力)がなくなり左側に押すことが可能となるはずである。しかし動かないということはこの抵抗力(反力)が互いに等しくつり合っている状態を示す。このつり合っている状態がまさに、作用・反作用なのである。

 作用・反作用の法則では“抵抗”がないと、この法則は成り立たない。ここでいう抵抗とは空気抵抗、地面の摩擦、床からの反発力(床反力)などがある。

右図のようにボールを空中で落とせば、空気抵抗がある、空気抵抗はほんのわずかであるため、ボールが落下する力とつり合いとれずに落下していく。地面に接触すれば、地面からの反力を受ける。地面の抵抗力は空気抵抗などと比較すれば大きいために、ボールが地球の中心に落下しようとする力と抵抗力が等しくなり、ボールの落下は止まるというわけである。

 

 

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