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アプリを駆使(くし)してニッポンをさぐれ! ズームジャパン!

scene 01高い山の上に引っこす?
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昼下がり、今日も事件が起こりました。「Hey! ショーゴ。ここから引っこすわよ!」とミウ。「え? 引っこし?」。「そう、引っこしよ、引っこし! お姉ちゃん、今ラップ書いてるんだけどさ、なんかいいラップが生まれなくて。ほら、わたしたちがすんでるこの土地って、どこを見わたしても家、家、イェ~でしょ?」。あっけにとられるショーゴ。「引っこして環境(かんきょう)を変えたら、いいラップが生まれるかも」とミウ。「てことで、どこにすもうかな~?」。「高い山の上とかいいわね。山頂(さんちょう)にすんでさ、Hey! 山頂に参上~!」。ミウの妄想(もうそう)は今日も暴走気味です。

scene 02小5アプリ『ズームジャパン』を使って調べる
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「でも高い土地だと上ったり下ったりが大変かしら…。やっぱりすむなら低い土地? どっちがいいんだろう?」と考えるミウ。するとショーゴが、「それはね、どちらにもそれぞれ工夫があるみたいだよ」と言います。「どんな工夫?」。「じゃあ、まず日本の土地の特徴(とくちょう)を見てみよう!」。ショーゴがタブレットでアプリを起動します。「これは、小5で習うことが動画でまとめられているアプリ。今回は、『低い土地と高い土地のくらし』。まずは、大きな動きを見ていく青い動画。日本の土地の特徴に、ズームアウト!」とショーゴ。

scene 03国民の80%が低い土地にすんでいる
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日本の国土は、およそ3分の2が山地や丘陵(きゅうりょう)地です。「ほとんど山ねぇ」とミウ。高い土地では、すずしい気候に適した作物作りが行われています。また、自然のめぐみが豊富で、観光業などもさかんです。一方、低地や台地などの低い土地は、高い土地に比べ、面積が少なくなっています。しかし国民の80%が、高さ100m以下の低い土地にすんでいるのです。日本最大の広さをほこる関東平野。住宅(じゅうたく)や高層(こうそう)ビルが建ちならび、およそ4000万人がくらしています。

scene 04屋根の上を車が走る町?
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「ほとんどの人が低い土地にすんでたなんて知らなかった」とミウ。「これぐらい知ってて当然だよ。だってこれは、小5で習う『小5の常識!』」とショーゴの決めセリフ。「これを見て」とショーゴがタブレットの映像(えいぞう)を見せます。「え? 屋根の上に車! どうなってるの?」とびっくりするミウ。「これはね、堤防(ていぼう)の上を走ってるんだよ」。「そうか。だから屋根の上を車が走ってるように見えるのね。こんな高い堤防に取り囲まれた町があるなんて、どんなくらしをしてるんだろう」。「見て。現場の仕事や働く人の思いがわかる赤の動画。低い土地にすむ人たちのくらしを見てみよう。ズームイン!」。

scene 05海抜0m地帯の「輪中」
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東海地方を流れる揖斐川(いびがわ)、長良川(ながらがわ)、木曽川(きそがわ)。この三つの川に囲まれているのが、岐阜県海津(かいづ)市。この町を、長さ30kmの堤防(ていぼう)がぐるっと取り囲んでいます。このように、町を堤防で囲んだ地域(ちいき)のことを「輪中(わじゅう)」とよんでいます。実は海津市、川の水位よりも土地が低い、海抜(かいばつ)0m地帯。低い土地を守る堤防の高さは7mにもおよびます。「そうか、川よりも低い場所にあるからこんなに堤防が高いのね」となっとくするミウ。

scene 06水害から家や田畑を守る努力
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ここでは昔から、大雨のたびに川の水があふれ、水害に見まわれてきました。農業をするのもひと苦労だったといいます。米作りは、水からイネを守るため、土をほって積み上げる「堀田(ほりた)」という方法で行われました。収穫(しゅうかく)したイネは、水路を使って舟(ふね)で運んでいたのです。「こりゃ大変だわ~」とミウ。この町の人たちは水害から家や畑を守るため、さまざまな努力をしてきました。「その工夫がまだ町にも残ってるんだ。見て、あの家の石垣(いしがき)」とショーゴ。「石垣?」。

scene 07家を水害から守る工夫-高い石垣
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この地域(ちいき)では、堤防(ていぼう)からあふれた水で家がつからないように、石垣(いしがき)を高く積み上げていました。「へぇ~」。さらに、庭の中にも…。「え? また石垣?」。これは水屋(みずや)。水害のときに避難(ひなん)用の小屋として使われました。中に食料をたくわえ、生活できるようになっていました。この家で生まれ育った諏訪博保(すわ・ひろやす)さん。「石垣の高さは約2m。だから家の周りと合わせて3m50cmくらい。実際に、明治29年のときには祖母が水屋に避難したと聞いています。石垣の上のところまで水がきたそうです」。「え? こんな高さまで水がきたんだ」とおどろくミウ。

scene 08町のなやみを解決-排水機場のパワー
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水害になやまされたこの町を変えたのは、およそ50年前に建てられた排水(はいすい)機場です。土地が低い輪中は、雨がふると水が町じゅうにたまってしまいます。排水機場のポンプを使い、水を川へはきだすことができるのです。なんと、25mプールいっぱいの水をたった5秒で排水できます。「たったの5秒? ものすごいパワーね!」とおどろくミウ。「こうした排水機場が、輪中の中に8か所も設置されているんだ」とショーゴが言いました。

scene 09水を上手に生かした生活
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排水(はいすい)機場はこの町の農業も支えています。使う水の量を調整して、同じ土地でさまざまな作物を作り続けることができます。「どういうこと?」。春から秋にかけてはたくさんの水を使ってお米を作り、お米の収穫(しゅうかく)が終わると田んぼの水をぬき、畑にして大豆や小麦を作ることができるのです。長年この地域(ちいき)で米作りをしてきた後藤純二(ごとう・じゅんじ)さん。「機械的に排水するシステムが確立されていますので、水を上手に生かした生活をしております」と言います。

scene 10くらしを守る思いを次の世代に
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くらしを守る思いは、次の世代にも受けつがれています。この地域(ちいき)の小学校には、一人一着のライフジャケットが備え付けられているのです。「わたしのおばあちゃんの家に、昔、大雨で1階が水没(すいぼつ)したってことを教えてもらって、日々の訓練を真剣(しんけん)に、昔あったことを考えながら準備できるようにしています」(生徒)。

scene 11自分がくらす土地のよさをさがしてみよう!
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「土地の特徴(とくちょう)を生かしたくらしの工夫があるのね」とミウ。「日本だけじゃないんだよ。ほかにもね、『オランダの低地のくらし』や、『ボリビアの高地のくらし』なんかも、日本を見つめ直すうえで参考になるんじゃないかな」とショーゴ。「なるほど…。よし、引っこしやーめた!」とミウ。「え? やめるの?」。「もう少し、自分がくらすこの土地のよさをさがしてみようと思う。そのほうがなんだかいいラップが生まれるヴァイブスを感じるわ。イエ、イエ、イェ~」とラップを始めるミウ。「Say(セイ) イエーと言えー♪ ミウとショーゴ in da house Say Wa(輪)! Juu(中)! Wa! Juu!…」。これにて事件解決…なのか?

ズームジャパン
引っ越しは突然に…事件!? ~低い土地のくらし~
「高い土地と低い土地でくらしかたはどう違うの?」という問いから堤防に囲まれた輪中の歴史や、防災や農業の工夫などを紹介。その土地ならではのくらしを紹介します。

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