米下院議長候補 共和党内の支持まとめきれず 投票見送り

アメリカ議会下院で議長が不在の異例の事態が続く中、多数派を占める共和党の議長候補が党内の支持をまとめきれず、予定していた本会議での投票を見送りました。議会の機能不全の長期化に懸念が高まっています。

アメリカ議会下院では、多数派を占める共和党の内部対立で、今月3日に議長が史上初めて解任され、共和党はトランプ前大統領に近いジョーダン議員を後任の議長候補とすることを決めました。

ただ強硬な政治姿勢で知られるジョーダン氏の議長選出に共和党内の穏健派の議員などが反対していて、ジョーダン氏が下院の過半数の票を確保する見通しが立たないことから、19日に予定していた本会議での投票は見送られました。

下院では、これまでに2回投票が行われましたが、20人以上の共和党議員がジョーダン氏を支持せず、こう着した状態が続いています。

共和党内では事態の打開に向けて現在、限定的な議事進行を担っているマクヘンリー暫定議長の権限を一時的に拡大する案も検討されていますが、反対意見も多く、進展していません。

バイデン政権は、20日、議会に対し、イスラエルとウクライナを支援するための予算を要請することにしていますが、下院では議長の不在によって予算を通すことができない状況が続いていて、議会の機能不全の長期化に懸念が高まっています。