概略構想図って何?
ところで、「構想××」という単語が入り乱れて困惑していませんか? そう思い、表にまとめておきました。
3次元CADで概略構想図を作成するコツ
次に、3次元CADにおける作図のコツを表で解説します。
まず、図中左側の「概略構想図」に注目してください。板金部品の場合、3次元CADのモデリングに工数がかかる「曲げR」や「角のR」や「角のC面」を省略します。同様に、インクジェットプリンターの樹脂製外装カバーの場合でも、デザイン上の大きなRも、C面やいくつかの直線でカットした形状で代用します。なぜなら、設計職人同士、その部分はRやCで形成するのは当たり前だからです。
次のコツは、「ノットスケール」で描くことです。ノットスケールとは、実際の寸法を意識せずに形状を描くことです。例えば、子供が新幹線を描くとき、寸法など全く意識しないで描くのと同じ行為です。概略構想図を使った設計審査が承認されたら、図4の右側にあるノットスケールではない「構想設計」へと移行します。
ポンチ絵では設計審査はいきなり却下
私は、クライアント企業の設計審査にゲスト審査員として出席しています。例えば、図5は「おもちゃの電車」の3次元CADを使った概略構想図です。審査中に次のように質問します。「部品点数は何点?」、「上方組み立てによる自動組み立てを説明して」、「Z方向の断面見せて」、「Y方向の断面見せて」、「スケルトンにして、裏側を見せて」──。これらの質問にポンチ絵やホワイトボードで答えようなどという設計者は即座に却下です。
なぜなら、私は学者ではありません。埼玉県川口市の設計職人であり、心のライバルは、日本料理の料理長であり、洋食屋のコック長であり、大工の棟梁だからです。
理解していただけたでしょうか。では、皆さん、次回もお楽しみに!