働き方改革への取り組みが進む中で、仕事の効率アップは今まで以上に求められている。Excelでテキパキと作業をこなす秘訣は、頻繁に使用する基本操作をいかに効率的に実行するかにある。

 本連載では頻繁に利用するExcelの機能を取り上げて、操作をより効率化するテクニックや意外な裏技を紹介する。第1回は「選択」にまつわるテクニックについて解説したい。

データがあるセルを一発選択

 ExcelシートのA2セルからA8セルを選択する。この場合、A2を選択してそのあとA8までドラッグするのが一般的だろう。しかし小さな表ならばいざしらず、50行や100行といった大きな表だと、ずるずるドラッグするのはあまりにも非効率だ。キーボードで範囲を選択する技を覚えておこう。

 まずA2セルを選択したら、[Ctrl]キーと[Shift]キーを押しながら「↓」キーを押す。するとA2から、データの入力されているA8までを一発で選択できる。

キーボードでセル範囲を選択する
キーボードでセル範囲を選択する
[Ctrl]キーと[Shift]キーを押しながら「↓」キーを押すことで、キーボードから範囲選択できる
[画像のクリックで拡大表示]

 ちなみにA2を選択したあと[Shift]キーを押しながら「↓」を押していくと、A2からA3に向かって1セルずつ選択範囲を拡大できる。また、[Ctrl]キーを押しながら「↓」を押すと、A列でデータの入力されている最終行のセルに移動できる。

 それでは、A1を選択して[Shift]キーと[Ctrl]キーを押しながら「↓」キーを押したあと、さらに「→」を押してみよう。するとA2から、データの入力されているD8まで、つまり表全体を選択できた。表全体の選択は、表内のいずれかのセルを選択した状態で[Ctrl]+[A]キーを押すことでも可能だ。

行列全体を素早く選択

 次に先の表で、見出し行にあたるA2:D2をコピーして、10行目にペーストする場合について考えてみよう。この場合、A2:D2をマウスでドラッグしてコピーし、A10を選択してペーストするのが一般的だろう。もちろん間違いではないのだが、同様の作業をもっと素早くこなす方法がある。

 まず、2行目の行見出しに相当する「2」をクリックする。すると2行目全体が選択状態になる。そうしたらコピーを実行し、A10を選択してペーストすればよい。特に列の数の多い表の場合、マウスでずるずるドラッグするよりも断然速い。

行全体を選択する
行全体を選択する
行全体を選択してコピー・アンド・ペーストする。行全体の選択はキーボードからでもできる。例えばD3セルを選択している状態で[Shift]+[スペース]キーを押すと3行目全体を選択できる
[画像のクリックで拡大表示]

 列の場合も同様だ。列見出しの「A」をクリックすると、A列全体を選択できる。さらにA列全体を選択したら、そのままマウスを列ラベル沿いにドラッグしてみよう。すると複数列の選択が可能だ。複数行の選択も、同様の操作でできる。

複数列を選択する
複数列を選択する
列全体をキーボードから選択する場合、[Ctrl]+[スペース]キーを押す。さらに[Shift]+矢印の左右キーで選択範囲を拡大できる
[画像のクリックで拡大表示]

 シート全体も、クリック1つで選択できる。行見出しと列見出しが交差する場所に右下を向いた三角マークがあるので、ここをクリックするだけだ。データが入力されていないセルを選択して[Ctrl]+[A]キーを押すことでも同じことができる。

シート全体を選択する
シート全体を選択する
行見出しと列見出しが交差する場所にある、三角マークをクリック
[画像のクリックで拡大表示]