有機栽培、特別栽培、エコ農産物などの違いは何?

年々健康志向が強まり、オーガニック食品や無農薬栽培の野菜などの需要が高まっています。
オーガニックや無農薬栽培のほかにも特別栽培やエコファーマーが栽培した野菜など色々な表示があり、よくわからなくなってしまうこともあると思います。
そこで今回これらの基準をまとめてみることにしました。

有機農産物とは?

「有機=オーガニック」で同じ意味です。
現在日本では、有機農産物と有機農産物加工食品を「オーガニック」として表示・販売する場合、登録認定機関の検査・認証を受け、有機JASマークを付けることが義務付けられています。
(参考 登録認定機関一覧:http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki_kikan.html)

有機農産物と有機加工食品の生産方法の基準

※有機農産物
・堆肥などで土作りを行っている
・水耕栽培やロックウール栽培ではなく、土壌を用いた農業生産を基本とする
・環境への負荷をできる限り低減した生産方法
・種まき、または植え付けの前2年(多年生の場合は3年)以上、禁止された農薬や化学肥料を使用していない
・農薬・化学肥料を使用せず栽培している
・遺伝子組換え技術を使用しない

※有機加工食品
・物理的または生物の機能を利用した加工方法を用いる
・化学的に合成された食品添加物および薬剤の使用を避ける
・原材料は、水と食塩を除いて、95%以上が有機農産物・有機畜産物・有機加工食品であること
・遺伝子組換え技術を使用しない

特別栽培とは?

栽培方法 :農産物を生産するときに使用される農薬の使用回数がその地域の同時期に慣行的に行われている使用回数の5割以下、化学肥料の窒素成分量が栽培地が属する地域の5割以下であること。

石川県の例
慣行栽培時の農薬の使用回数:20回
化学肥料の窒素成分量:10a当たり9Kg

(特別栽培の場合)
農薬の使用回数:10回以下
化学肥料の使用窒素成分量:4.5kg以下 となります。

【参考】 特別栽培農産物に係る表示ガイドラインに基づき地方公共団体が定めた慣行レベル等一覧: http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/tokusai_1511_2.pdf

特別栽培は地域によって農薬、化学肥料の使用回数に違いがあるため、有機栽培に比べて少しわかりにくい制度になっています。

この特別栽培農産物に係るガイドラインと同レベルのものや、上乗せ・緩和基準を設けたものを設定している都道府県もあります。
例えば大阪府の「大阪エコ農産物認証制度」は遺伝子組み換え技術を用いた種苗を用いない という上乗せ基準を設けたものとなっています。

【大阪エコ農産物以外の例】
いばらきエコ農産物  ちばエコ農産物  石川県エコ農産物  京のブランド産品
大阪エコ農産物  とくしまあんあん農産物  さぬきエコ農産物  エコえひめ
エコやまぐち農産物  みやざきエコ野菜

エコファーマーとは?

エコファーマーとは、持続農業法に基づき、「持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画」を都道府県知事に提出し、平成12年8月の「全国環境保全型農業推進会議」に寄せられた応募の中から選ばれ生産者を指します。

現在も登録可能で、自分が住む都道府県の知事に認定してもらう必要があります。
また基準も各都道府県ごとに少しずつ異なるため、下のURLから各都道府県ごとの詳細をご確認ください。
【参考】 http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_ecof/)

有機JASや特別栽培に比べて農薬や化学肥料の使用に関する基準は緩くなっています。(例えば、現行より農薬、化学肥料を2割削減など。)
エコファーマーに認定されると、環境保全型農業直接支払交付金による支援や、農業改良資金の特例措置を受けられるといったメリットもあります。

ほかの栽培方法の表示例とその内容

無農薬栽培:農薬を使用しないで栽培をすること。

ただ、肥料については一切問わないので化学肥料やその他肥料は何を使ってもかまいません。
有機栽培のように認証制度はなく、表示については農林水産省のガイドラインで定められていますが、罰則は設けられていません。
平成15年から無農薬米、無農薬野菜などの表示は農 水省ガイドラインでは「特別栽培」とするように指導されています。
減農薬栽培も無農薬栽培と同様に「特別栽培」と表示するように農林水産省のガイドラインで統一されました。

無化学肥料栽培:化学肥料を一切使用しないで栽培すること。

農薬については自由に使用した栽培方法です。
無農薬栽培と同じように有機栽培のような認証制度はなく、表示については無農薬栽培と同様に農林水産省のガイドラインで「特別栽培」とするよう定められています。
こちらも罰則は特に設けられていません。
減化学肥料栽培も無化学肥料栽培と同様に「特別栽培」と表示するように農林水産省のガイドラインで統一されています。
・減農薬、無化学肥料栽培
・無農薬、減化学肥料栽培
・減農薬、減化学肥料栽培
についても、表示については農林水産省のガイドラインで「特別栽培」に統一されています。

まとめ

以上の分類をもう少しわかりやすく簡単な表にで表すと下記のようになります。

栽培方法 有機栽培 特別栽培 エコファーマー
主な認定条件 ①種まき、または植え付けの前2年(多年生の場合は3年)以上、禁止された農薬や化学肥料を使用していない
②農薬、化学肥料を使用しない
③遺伝子組換え技術を使用しない
地域ごとに定められている農薬、化学肥料の使用量の5割以下に使用量を抑える 各都道府県ごとに基準が定められているので要確認。
ただ、有機栽培や特別栽培よりも基準は緩い。

いかがでしたでしょうか?
これらの情報を今後のお買い物の際の判断材料の一つとして使っていただけたらと思います。

【参考サイト】
http://www.hondanojo.com/yukisaibai.htm

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http://i-yugen-nou.sakura.ne.jp/kankyouhozen.html
http://www.organic-cert.or.jp/