【独自】博多ストーカー殺人 寺内被告「記憶飛ぶくらい刺した」「死刑でいいんです」 TNC記者が接見

2023年02月17日


博多駅前で起きたストーカー殺人事件から2月16日で1ヵ月。

逮捕・起訴された元交際相手の男が、拘置所でTNC記者の取材に応じました。

<福岡拘置所(16日)>

◆記者
「夢は見る?」
◆寺内被告
「見ます。夢に被害者が出てきて、留置場で急に被害者の名前を叫んだこともあります。その時は、看守に怒られました」

眉間にしわを寄せ、記者の質問に前のめりに答えたのは、殺人と銃刀法違反の罪で起訴された福岡市の飲食店従業員・寺内進被告(31)です。

起訴状などによりますと、寺内被告は1月16日の夜、福岡市のJR博多駅前の路上で元交際相手の川野美樹さん(当時38)の胸や頭などを刃渡り約24センチの包丁で何度も刺して殺害したとされています。

事件からちょうど1ヵ月が経った2月16日、寺内被告が福岡拘置所でTNC記者の接見に応じました。

<福岡拘置所(16日)>

◆記者
「なぜ取材を受けてくれたのか?」
◆寺内被告
「説明ですね。ちゃんと説明したいと思った」

◆記者
「気持ちは落ちついた?」
◆寺内被告
「そうですね」

◆記者「部屋は?」
◆寺内被告
「独居房です。めっちゃ寒いです。エアコンないので」

◆記者
「事件から1ヵ月経つが、眠れている?」
◆寺内被告
「事件がフラッシュバックして眠れていないです。寝ても午前3時、4時くらいに起きてしまう。睡眠導入剤を飲んでいます」

寺内被告は細く剃っていた眉毛がうっすら伸び、茶色く染めていた髪の毛は根元の方が黒くなっていました。

◆動画(関係者提供)
「はい、どうもすすむちゃんです、よいしょ~」
「きょうも元気なすすむちゃんでございま~す」

寺内被告は大阪府出身で、2021年12月に福岡に移り、中洲にある飲食店グループでアルバイトを始めました。

そして、同じ飲食店グループで働いていた川野さんと知り合い、2人は交際を始めました。

<福岡拘置所(16日)>
◆記者
「いつから交際を始めた?」
◆寺内被告
「去年の4月上旬です。自分が川野さんの勤務先に行った時に、川野さんは店の宣伝動画を見ていて『噂のススだ!カッコいい!カッコいい!』と言ってきた。自分は『ありがとうございます』とか言った。かわいいし、自分の方から交際を申し込んで付き合うようになりました」

ところが、2人が働く飲食店グループは従業員同士の恋愛禁止。

もし交際したら男性側に罰金のペナルティが課せられる決まりで、2人は飲食店に知られないよう交際を続けたといいます。

しかし、交際から約半年後ー

<福岡拘置所(16日)>
◆記者
「2人の関係がおかしくなったのはいつ?」
◆寺内被告
「去年の10月です。自分が酔っぱらって喧嘩になって、川野さんから『いつもそうじゃん、もう嫌!』『酒飲んで電話するのやめて』と言われて…」

その後、川野さんは警察署に「別れようと言っても聞かない」などと相談し、警察は寺内被告に警告を行いました。

これがきっかけで、寺内被告と川野さんの交際が飲食店に知られることになりました。

それでも、寺内被告は警察の警告を無視して川野さんの職場に押しかけました。

<福岡拘置所(16日)>
◆寺内被告
「ストーカー呼ばわりされて、めちゃめちゃ腹が立った。ただ、川野さんの会社に行った時はストーカーだと思っている。変装していたから」
◆記者
「変装していたんですか?」
◆寺内被告
「です。カツラをかぶって、スーツを着ていった。川野さんはめっちゃ驚いていた。川野さんには『謝れ』『恋愛禁止の決まりを破った罰金100万円を支払わないけんやんか!』と言った。川野さんは『うちは関係ないよ、国家権力や国民のみんなが守ってくれるからね』と。自分は『そういうことを言うんやな』と思った」

去年11月26日、警察は寺内被告に対してストーカー規制法に基づく川野さんへのつきまといの禁止命令を出しました。

寺内被告が働いていた飲食店の代表はー

◆記者
「(寺内被告)本人と話はした?」
◆寺内被告が勤務する店の代表
「しましたよ当然、『もう全然会わないようにして近寄るな』と『連絡もするな』と。本人は『わかりました』しか言わない」

そして、禁止命令から51日がたった1月16日、事件は起きました。

<福岡拘置所(16日)>
◆記者
「事件前も川野さんに好意を寄せていた?」
◆寺内被告
「嫌いと、イラつきと、怒りと、全てが混じっていた」

◆記者
「なぜ事件現場に行ったのか?」
◆寺内被告
「偶然です。その日は携帯の代金を支払うために博多駅に行った。店のミーティングがあったので歩いていると、川野さんと偶然出会った。自分は川野さんを傘で軽く小突いて『お前なんじゃコラ、おちょくっとるんか!』と言った。川野さんは『何が?』と言い返した」

寺内被告と川野さんはそれから口論となりましたが、この時、寺内被告はカバンの中に包丁を入れていたと言います。

<福岡拘置所(16日)>
◆記者
「なぜ包丁を持っていた?」
◆寺内被告
「街でトラブルになっていた相手からの襲撃に備えて、去年9月から包丁はいつも持参してました。その時点で頭がおかしいですけど」

◆記者
「なぜ殺害した?」
◆寺内被告
「警察警察言いやがって、こっちがどんだけつらい思いして…。周りからもストーカーストーカー言われて。俺に謝罪もない。川野さんの態度も、ほんまにイラついてきた、それで言いあいになって。出会う場所とタイミング、向こうの言い分とかが全て積み重なった。今までのことが走馬灯のようになって、記憶飛ぶくらいに刺した」

◆記者
「事件の時は怒りが爆発したのか?」
◆寺内被告
「です!です!頭が真っ白になって、気がついたら地面に倒れていた川野さんの後頭部が見えた」

川野さんの頭や首、胸や背中などを包丁で何度も刺し、殺害したとされる寺内被告。

その後、寺内被告は現場から逃走し、福岡市内のネットカフェに「寺本信一」という偽名を使い潜伏していたことが分かっています。

<福岡拘置所(16日)>
◆記者
「なぜ逃げた?」
◆寺内被告
「我に返った時、人がいるし『あっ、ヤバい』と思って逃げた。出頭はするつもりだった」

◆記者
「事件後、一旦自宅に帰ったのか?」
◆寺内被告
「いえ、帰っていません」

◆記者
「服が血まみれじゃなかったのか?」
◆寺内被告
「上着が血まみれだったので、現場近くの飲食店のトイレで脱ぎ捨てた。パーカーしか着てなかったのでめっちゃ寒かった」

◆記者
「自殺は考えなかったのか?」
◆寺内被告
「そのために包丁を2本持っていました」

◆記者
「2本持っていた?」
◆寺内被告
「です!」

寺内被告のカバンの中には、川野さんの殺害に使用した包丁のほか、もう一本別の包丁が入っていたと言います。

そして事件から2日後の1月18日、警察は中洲の路上を1人で歩く寺内被告を発見、追跡し逮捕しました。

逮捕当日は殺害された川野さんの誕生日でした。

<福岡拘置所(16日)>

◆寺内被告
「警察から1月18日が川野さんの誕生日だと聞いて涙が出た。そういえばそうだったと思い出した」

◆記者
「事件について後悔は?」
◆寺内被告
「もちろんありますよ、後悔…あいつの幸せを奪ってしまった」

◆記者
「時間を戻したい?」
◆寺内被告
「戻したいですよ。その気持ちがあるから寝れないんやないですか。おれは叩かれてもいいんですよ、おれは。死刑やったら死刑でいいんですよ。まさか自分がストーカー事件を起こすとは思わなかった。ストーカー事件を起こして捕まった人の気持ちが今は分かる」

約30分間の接見。

寺内被告に接見した記者はー

◆記者
「(面会室に)最初入る時はかなり警戒されると思ったが、『こういう気持ちだったのですか?』と聞くと、すぐ被せてくるような感じで、『です!です』と。今まであまり人と話していなかった分、何か自分の気持ちを伝えたい気持ちが前のめりになっている印象でした」

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